突然の頭痛・吐き気「同じ学年と卒業できるとは」 脳腫瘍3回手術乗り越えた高校3年生 退院後は午前3時から猛勉強

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級友たちと卒業を祝う國場翔太郎さん(右から3人目)=1日、那覇市・首里東高校

 1日に県内各地で一斉に開かれた県立高校の卒業式。新型コロナウイルスの感染防止で規模は縮小されたが、卒業生たちは旅立ちへの決意を固め、保護者や教職員は門出を祝った。座間味村の阿嘉小中学校と慶留間小中学校も、政府の休校要請に対応するため、卒業式を急きょ前倒ししてこの日実施した。

 式典の参加者が限定され、内容も簡素化された那覇市の首里東高校。在学中に脳の難病を発症した國場翔太郎さん(17)が卒業した。「同じ学年の仲間と一緒に卒業できるとは思わなかった。後悔しないように一日一日を大切にしたい」。両親や医師、教員らへの感謝を胸に、4月から大学に進学する。

 スポーツ推薦で高校に入学したほど、もともとはバドミントン一筋のスポーツ少年。高1の終わりに突然の頭痛や吐き気に襲われた。3カ月近く入院し、脳に腫瘍ができていることが判明。3回にわたって手術を受けた。

 「これからどうなるのか分からず、怖かった」。入院中は頭の位置が固定され、手には何本も管が通された。体を動かすことさえできない。抗がん剤治療で髪の毛は全て抜け、食事も取れなかった。

 つらい治療を乗り越えられたのは、両親や医者の支えがあってこそだ。父親は日付が変わっても病室に残り、アイスクリームなど食べやすいものを口元に運んでくれた。「そんなことをする人じゃなかったのに。味は分からなくても、うれしかった」と照れる。

 病気で筋力や視力が低下し、運動は難しくなった。それでも「これからは勉強に力を入れよう」と開き直り、退院後はすぐ学校に戻った。最初は歩くことさえ難しかったが、支援員や級友らのサポートを受け、つえをつきながら再スタートした。

 授業に付いていこうと、早い日は午前3時に起床して猛勉強。3年生の1、2学期は成績上位者になった。

 4月からは、県内の私立大学で法律や経済を学ぶ。「病気になり、それまで当たり前だと思っていた家族や周りの人の支えが、かけがえのないものだと分かった。みんなの役立つような資格や仕事を見つけたい」。級友や家族に囲まれた卒業式で、将来の希望に胸を膨らませた。(社会部・徐潮)