コミュニティーバス運行開始 高齢者の外出促進 島原市内3ルート

出発式の後、コミュニティーバスに乗り込む住民ら=島原市、有明公民館前

 高齢者の外出を促進し公共交通の空白地解消を図ろうと、長崎県島原市は1日、杉谷、三会、有明の3地区でコミュニティーバスの運行を始めた。市によると、要介護者を除き車とバイクの運転免許を持たない3地区の高齢者約1300人を潜在利用者として想定。市がコミュニティーバスを本格的に運行するのは初めて。

 島原鉄道が9人乗りワゴン車を毎日運行する。三会・杉谷線(路線距離約32キロ)、大三東・三会線(同約24キロ)、有明線(同約31キロ)の3ルートを1日各4便。杉谷公民館駐車場を発着する三会・杉谷線と有明公民館を発着する有明線の2ルートは、各路線を時計回り反時計回りに循環。大三東・三会線は有明、三会両公民館の間を往復する。
 停留所は高齢者の利便性を考慮し公民館や病院、スーパーなどに設定。既存の島鉄路線バスとの共用6カ所を含む計65カ所を設置した。道路幅が狭くバス停設置に適さない住宅密集地や住宅が点在する山間部に「フリー乗降区間」を設定し、バス停以外の場所で乗り降りできる。
 同市有明町の有明公民館で出発式があり、市担当者ら約20人が出席。古川隆三郎市長は「生活に密着したバスを走らせ、一人でも多くの人に利用してほしい」と話した。運賃は中学生以上200円、小学生100円、未就学児は無料。前日午後5時までに事前予約が必要。予約専用番号(電0957.62.0840)。

© 株式会社長崎新聞社