毎週月~金曜日 ゆうがた5時58分から放送している奈良テレビの「ゆうドキッ!」。水曜日は「奈良にうまいもんあり!」と題して、美味しいお店を数珠つなぎで紹介していきます。今回は「雲水堂」さんという創業400年以上の和菓子のお店ということで…
忘れられない味「松風」とは
田原本町に古くから店を構える、老舗和菓子店・雲水堂。
雲水堂・福岡さん
「私で19代目なので過去帳を調べていくと、慶長8年(1603年)、江戸の始まりくらいですね。400年くらい前だと言われています。」
リポーター
「同じ場所で400年?すごい歴史じゃないですか。」
雲水堂・福岡さん
「平野権平さんという方がおられまして、その方が合戦のときに功績をあげたので、お城をもらって、領地をもらって、こちらに来た時に郷土から継いで来られたという風に聞いています。」
リポーター
「そんな歴史あるお店でいただくのは、お店の顔ともいえる和菓子です。まずはこちら!すごい形をしていますね。」
雲水堂・福岡さん
「松風というお煎餅です。」
リポーター
「つぶつぶ、これは何ですか?」
雲水堂・福岡さん
「このつぶつぶは気泡、黄色いのは食用のケシの実です。」
リポーター
「ケシの実!じゃあ、いただきます。…美味しい!すごくパリパリ。甘いんですけど、これケシの実からすごく香ばしさを感じるので、病みつきになるような味ですね。こちらは昔から作り方は変わっていないのですか?」
雲水堂・福岡さん
「作り方は変わっていないです。材料も砂糖やハチミツ、卵などしか使っていないですね。」
リポーター「こちらの松風は、伝承の技を受け継いだ職人が一枚一枚、丁寧に焼き上げて作られているんです。専用の窯で、その日の気候に合わせながら何度も状態を見て火を入れていきます。焼きあがったら生地が固まる前に、丸めて形を作ります。400年以上、使う材料や作り方など変えず、当時の味をそのまま再現されているんです。」
小豆と白あんの権平もなか
リポーター
「そして、こちらもお店を代表するひとつ!美味しそうですね。こちらは、もなかですよね。」
雲水堂・福岡さん
「はい。小豆と白あんの権平もなか。もなかに権平と書いてあるんですけど。」
リポーター
「本当だ。よく見たら。」
雲水堂・福岡さん
「平野権平さんにちなんだ”もなか”です。」
リポーター
「白いもなかって珍しくないですか?」
雲水堂・福岡さん
「大体、小豆が多いんですけど、うちは、白あんに黒豆がアクセントで入っています。」
リポーター
「どんな味なんだろう?じゃあ、まずはこちらのつぶあんの方から。いただきます。パリッと!サクッと!」
雲水堂・福岡さん
「出来立てはやっぱり、皮はパリッとしているので美味しいと思います。」
リポーター
「これだけぎっしり(つぶあんが)入っているのに、しつこくない甘さ。続いて、白いもなかの方をいただきましょう。これもどんな味なんだろう。黒豆が入っていますね。…全然違いますね!しっかり黒豆の甘さもある。白あんの甘さと黒豆の甘さも感じられるし、でもだからといって別に喧嘩もしてない、すごく丁度いい、優しいもなかですね。これは美味しいわ。雲水堂さんは昔から和菓子作りをされていると思うのですが、奈良にとって、どのような存在になりたいですか?」
雲水堂・福岡さん
「今まで通り、地域に愛される存在でいたいと思います。(昔ながらの)この味を守っていきたいと思います。」
リポーター
「45代目…50代目と、そこまで続くような。」
雲水堂・福岡さん
「行けばいいと思います。」
リポーター
「奈良を代表するような和菓子を作り続ける雲水堂さんのうまいもん、ごちそうさまでした!」
一枚一枚、職人さんが丁寧に作られていて、気温によっても完成度が変わってくるため、季節によって調整しながら作るのが大変なんだそう。夏は特に暑く、目の前に火があるので、昼間はお仕事にならないんだとか…。砂糖やハチミツ、卵など創業当時から変えずに当時の味を受け継いでいて、松風だけでなく、もうひとつのお店の顔といえる「権平もなか」も1841年に田原本藩主、平野家9代・平野長発公により初代・長泰公の好物だった黒豆を使ったお菓子として作られたのが始まりだそうです。
気になるお店の場所は?
雲水堂本店は近鉄橿原線・田原本駅から東出口を出て徒歩5分。駅近くにも店舗がありますので是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。
※この記事は取材当時の情報です。