顕著な暖冬 全国7割で高温1位記録を更新 少雪も記録的

気温経過(出典=気象庁ホームページ)

 気象庁は2日、この冬(12月~2月までの3か月間)の天候のまとめを発表した。冬型の気圧配置が続かず、全国的に寒気の流入が弱かったため高温となる時期が多く、東日本以西の冬の気温はかなり高くなった。特に、東・西日本で統計開始の1946/47年冬以来、最も高い記録を更新し、記録的な暖冬となった。また、全国的に冬の降雪量がかなり少なく、北・東日本日本海側では最も少ない記録を更新した(統計開始は1961/62年冬)。

12~2月の月別の天候

■12月
 冬型の気圧配置が続かず、北・西日本の日本海側の月降雪量は、1961年の統計開始以降で最も少なかった。また、本州付近への寒気の南下が弱かったため、月平均気温は東・西日本ではかなり高く、沖縄・奄美で高かった。
■1月
 全国的に寒気の南下が弱かったため、東・西日本では1946年の統計開始以降、1月として1位の高温となった。冬型の気圧配置が続かず、全国的に寒気の南下が弱かったため、日本海側を中心に降雪量がかなり少なく、降雪量は北日本の日本海側で平年比31%、東・西日本日本海側では0%となり、1月としては1961年の統計開始以降で少ない記録を更新した。
■2月
 冬型の気圧配置となる日が少なく、暖かい空気に覆われやすかったことや、南から暖かい空気が流入した時期もあったため、月平均気温は東日本でかなり高く、北・西日本と沖縄・奄美で高かった。 寒気の影響を受けにくかったため、月降雪量は北・東日本日本海側でかなり少なかった。

気温 東・西日本で顕著な暖冬

 東・西日本では度々顕著な高温となり、冬の平均気温の平年差がそれぞれ+2.2℃、+2.0℃と、冬として最も高い記録を更新した(統計開始は 1946/1947年の冬)。全国の気象台等153地点のうち、109地点で最も高い記録を更新した。

 3か月間平均気温 高い方から1位を更新した主な地点
 新潟  5.6℃(平年差+2.2℃)
 水戸  6.2℃(平年差+2.2℃)
 富山  6.3℃(平年差+2.6℃)
 金沢  7.1℃(平年差+2.3℃)
 京都  7.6℃(平年差+2.0℃)
 名古屋 7.8℃(平年差+2.3℃)
 福岡  9.8℃(平年差+2.2℃)
 静岡  10.0℃(平年差+2.4℃)
 鹿児島 11.9℃(平年差+1.9℃)など109地点

降水量と日照時間の平年比(出典=気象庁ホームページ)

降水量 北日本日本海側でかなり少なかった

 北日本の日本海側でかなり少なく、東日本の日本海側と沖縄・奄美で少なかった。一方、西日本日本海側ではかなり多く、西日本太平洋側で多かった。
 
■3か月間降水量 少ない方から1位を更新した地点
 留萌  151.0ミリ(平年比52%)
 小樽  245.0ミリ(平年比63%)
 倶知安 357.5ミリ(平年比70%)
 新潟  342.0ミリ(平年比65%)
 
■3か月間降水量 多い方から1位を更新した地点
 平戸  574.5ミリ(平年比243%)
 佐世保 439.0ミリ(平年比211%)
 佐賀  366.5ミリ(平年比205%)

日照時間 沖縄・奄美でかなり多く、東日本太平洋側でかなり少なかった

 沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側で多かった。一方、東日本太平洋側でかなり少なく、西日本で少なかった。
 
 3か月間日照時間 多い方からの1位を更新した主な地点
 新庄  183.3時間(平年比136%)
 西表島 348.9時間(平年比155%)
 石垣島 399.7時間(平年比149%)

降雪・積雪 全国で少雪

 降雪の深さ月合計は北・東・西日本でかなり少なかった。月最深積雪は、全国的に少ない地点が多かった。

3か月の降雪量の平年比(出典=気象庁ホームページ/一部編集)

この先の天候 桜開花は記録的に早くなる所も

 3月は寒気が南下しにくく、暖かい空気に覆われやすい見込み。向こう1か月の気温は全国的に高く、北・東・西日本は3月前半の気温がかなり高くなりそうだ。
 なお、最新の「さくら開花予想」では、横浜3月14日、東京3月15日、名古屋3月17日、金沢3月19日など、平年より大幅に早く咲く見込みで、記録的に早くなる所もある見通し。ただし、九州南部や静岡など温暖な地域では、記録的な暖冬の影響が大きいため、ほぼ平年並みの開花となりそうだ。

2日発表のさくら開花予想(ウェザーマップ発表)

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