WEC:ハートレー、“バンピー”なセブリングではトヨタにとって「違う展開になると思う」

 TOYOTA GAZOO RacingのドライバーとしてWEC世界耐久選手権に参戦しているブレンドン・ハートレーは、次戦のセブリング1000マイルがチームにとって前戦オースティンとは「異なるレース展開に」なると考えている。

 日本の自動車メーカーはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で、レベリオン・レーシングが走らせるノンハイブリッドLMP1カーにシーズン2度目の優勝を許した後、3月18~20日に行われる2019/20年シーズン第6戦セブリング1000マイルに臨む。

 トヨタの7号車と8号車トヨタTS050ハイブリッドは、FIAとACOフランス西部自動車クラブ、そして全チームが合意の上で取り決めたサクセス・ハンディキャップの影響を受け、先月のCOTAラウンドではより小さなハンデのプライベーターチームのペースに及ばなかった。

 セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴とともに8号車トヨタをシェアするハートレーは、程度こそ異なるもののランキングに変動がないために同様のハンディキャップを携えて迎えることになるセブリングでの戦いについて、サスペンションのセットアップにおける優位性が陣営の手中にあると感じていると述べた。

 ニュージーランド出身の彼は昨年、同じ週末に行われたIMSAセブリング12時間に参戦する傍ら、SMPレーシングのノンハイブリッドLMP1カー、BRエンジニアリングBR1・AERを駆ってWECセブリングに参加している。

「セブリングは(COTAとは)異なるストーリーが描かれると思う」とハートレーはSportscar365に語った。

「次のレースはル・マン24時間に次いで2番目に大きなレースだ。昨年のトヨタのように僕たち全員がそこで勝利を収めようとモチベーションをとても高めている」

「特にあのようなでこぼことした“バンピー”なトラックでは、トヨタは信じられないほど優れている思う。僕は昨年、彼らがいかに支配的であるのかを(チームの外から)見ていた」

「だから、たとえ手強いハンディキャップがあったとしても、僕たちにとって良いレースになると思うんだ」

2019年セブリング1000マイルで総合3位となった11号車BRエンジニアリングBR1・AER

■足回りの違いに「ハンデが課せられないことを願うよ(笑)」

 トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、メーカーにとっては依然として「きつい仕事」であるとしながらも、トヨタが独自のダブルウィッシュボーンとトーションバーシステムを採用していることを認めた。
 
 これはオレカ製のレベリオンR13・ギブソンには装着されていないものだが、彼はスイスのチームが3.74マイル(約6.02km)のトラックでふたたび勝利を手にする可能性があるという。

 なお、トヨタは2019年に行われたセブリング1000マイルで、3番手に10周差をつけてワン・ツー・フィニッシュを飾っている。

「サスペンション関連のハンディキャップはないが、このシステムが変わらないことを願っているよ!(笑)」とジョークを交えて語ったバセロン。

「我々はまだ大きなハンディキャップを抱えているが、レベリオンのハンディキャップも増加している」

「それでも(楽観視はできず)仕事の重要性は変わらない」

「気温が低いときは、パワートレインのエネルギーがとても少なくなることがあるんだ。また、タイヤの使い方やウォームアップにも苦労している。寒いときに直面する副作用のひとつだよ」

「これらハンディキャップのレベルが高いと、より厳しいものになるだろう」

「この種の期待をすることは難しいが、セブリングではハンディキャップを少し減らして、コンディションを上げていかなければならない」

「我々は昨年、このコースで非常に良い戦いができた。2020年もふたたび勝つためにセブリングに行きたいと思っているんだ」

予選ワン・ツーから8時間の決勝レースに臨んだ2台のトヨタTS050ハイブリッド

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