35億円投資家・テスタ氏がデイトレードから中長期トレードに転じた理由

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テスタさんは、スキャルピングやデイトレードなど短期トレードを得意とし、累積35億円以上のお金を稼ぎ出している敏腕トレーダー。最近は短期トレードを減らし、時間軸が長い、中長期トレードに軸足を移しています。その理由を伺いました。


2016年から中長期トレードに挑戦

――テスタさんといえば短期トレードのイメージを持つ人が多いと思いますが、最近は時間軸が長いスイングや中長期のトレードが増えているようですね。

はい。トレードを始めてから10数年間は短期トレードでしたが、2016年くらいから少しずつ時間軸が長いトレードに挑戦するようになりました。最近は中長期トレードの方が多くなり、短期が3、中長期が7くらいの比率です。

――3:7ということは、短期も中長期も二刀流でやるということですか。

そうですね。ただ、デイトレはツイッターを見ていて動いている銘柄がある時にちょっとやるといった程度で、毎日ではありません。最近よく動いている新型肺炎のマスク関連銘柄も、昔なら間違いなくトレードしていたでしょうが、今はほとんど見ていませんし、ほとんど触っていません。

――中長期トレードに軸足を移していく計画はもともと考えていたのですか。

全く考えていません。デイトレでスタートし、ずっとデイトレ一本でやってきましたので、中長期投資は畑違いだと思っていました。当時はファンダメンタルズの知識が全くありませんでしたし、決算書を見たり、読み方を勉強するようになったのもここ数年のことです。

資金効率を維持する手段が必要だった

――中長期トレードに目を向けるきっかけは何だったのですか。

アベノミクス相場が盛り上がった2013年に資産が1億円から5億円くらいまで増えました。地合いが良かったこともありますし、この時に信用買付余力が回復するようになり、資金効率がよくなったことも大きく勝てた要因でした。

ただ、資産が5億円になると、信用取引で買える金額は約15億円です。これだけのお金をデイトレで回すのは難しく、資金が余るようになりました。その時にデイトレ以外の方法に目を向けないといけないのではないかと思うようになったのです。

――その手段が中長期トレードだったわけですね。

はい。資産が5億円くらいになった2014年ころから対面証券で公募増資に申し込むようになり、その後、2016年くらいから徐々に中長期をはじめました。とはいえ、当時のトレードは中長期と呼んで良いのかわからないような買い方でした。いまも、話の中身が伝わりやすいように、短期ではないトレードを中長期と呼んでいますが、自分のトレードが中長期と呼ぶものなのかどうかよくわかりません。

――手持ちの余力が増えるほどデイトレ可能な銘柄が減るのですね。

はい。デイトレで重要なのは、1日の値動きが大きく、かつ大きく資金を入れられることです。東証一部の銘柄などは板が厚いのでいくらでも資金を入れられますが、大きな材料が出た時以外は1日に1~2%しか動きません。デイトレは1日で決済しますので、値動きが小さい大型株は、資金が入れられても利益にならないのです。

一方、小型株は値動きの面ではデイトレ向きですが、板が薄くなります。たくさん持っても売る板がなければ売れず、流動性の面から見て厳しくなります。経験上、デイトレは資金1億円、信用3億円くらいで回すトレードがもっとも資金効率がよく、そのあたりが限界なのだと感じます。

トレーダーとしてさらに上を目指したい

――トレードスタイルを変えることに抵抗感はありましたか。

多少はありました。中長期トレードはやったことがなく、漠然とした苦手意識もあったからです。しかし、資金効率のことを考えると他の選択肢はありません。デイトレを続けながらプラスを積み重ねることはできると思いましたが、複利運用なども含めて資金をパーセントで増やしていけるのも株の魅力の1つです。動かせるお金が制限される状況では、デイトレを頑張っても年1億円くらいしか稼げないと思い、消去法で仕方なく始めた側面もありますし、トレーダーとして成長していくためにも手をつけないといけないとも思いました。

――トレードする銘柄の探し方や見方は変わりましたか。

デイトレは値動きが大事ですので材料は見ません。一方、中長期の場合は材料が大事ですので、その点で見るところは変わったと思います。また、昔は値動きがあるデイトレ向きの銘柄を探していましたが、今は中長期で買える銘柄を探すのが中心で、その過程でデイトレできそうな銘柄を見つけることがある、という感じです。

銘柄探しに使える時間は限られていますので、デイトレ銘柄を探す時間は捨てて、その分、中長期で買える銘柄を探すようにしています。

――トレードスタイルが変わることよって日々の生活パターンも変わったのではないですか。

朝食と昼食を食べないのは今も同じです。8時20分くらいに起きるのも以前と同じですね。そういう基本的な部分はトレードスタイルとはあまり関係がないのかもしれません。短期、中長期を問わず、朝ごはんを食べた方が集中できるという人もいるでしょうし、早起きして集中力を高めてから相場と向き合いたいという人もいます。以前、友達が7時くらいに起きていると聞いて真似してみたことがあるのですが、眠くて二度寝してしまい、起きたら場が開いていたことが何度かありました。結局、そういう部分は性格とか体質だと思うので、今は結局8時20分です。

変わった点としては、デイトレが減ったので、場中にやることは減りました。逆に、場が閉まったあとは決算を見たりしながら銘柄探しをするので、15時以降にやることは増えました。

もう1つ変化と感じるのは体が楽になったことです。デイトレは場中ずっと集中しますので、肉体的な負担が大きくなります。当時は15時になったら倒れ込むように寝て、夕方に起きてご飯を食べるという生活でした。

そういう生活をしていたせいもあって、昔はよく風邪をひいていました。今は全然風邪をひかないので、生活の変化とは違う話かもしれませんが、中長期トレードが増えたことによって健康になりました(笑)。

次回は中長期トレードの勉強法に迫ります

※本稿は、2020年2月16日に開催された松井証券主催の株式セミナー「利益35億円トレーダー テスタさんに聞いてみた 相場で勝つためにしている○○のこと」でテスタ氏が講演した内容と、講演前に行った個別取材の内容を再構成して編集したものです。