大和ハウス系、土地活用に社員寮提案を推進

大和ハウス工業グループで、マンション管理やビル・商業施設管理などを手がける大和ライフネクスト(東京都港区)は、土地活用の提案として社員寮の開発に注力している。東京都江東区において社員寮「エルプレイス南砂」(総戸数284戸)を竣工。地主への働きかけを今後も進める。

「エルプレイス南砂」は、東京メトロ東西線南砂町駅から徒歩7分の立地。RC造地上7階建て。オーナーは戸田建設(東京都中央区)で、大和ライフネクストが30年契約で一括で借り上げて、社員寮として利用する企業1社に転貸する。居室面積は25.07~30.36m2で各戸に水まわりも設置。朝食・夕食を提供する食堂の他、バーやフィットネス、パーティーができる共用ルーム、仕事に集中するためのオフィスルームも設置される。この隣の同じく戸田建設の所有地では、宿泊型研修施設の開発が進められており、2021年2月に開業予定で大和ライフネクストが運営する。

大和ライフネクストでは「エルプレイス」と題した社員寮事業に注力。土地活用の提案と建設以外に一括で借り上げ、食事の提供など管理・サービスも含めた運営も展開。首都圏と関西圏で53棟・4125室を運営しているが、3月の新規開業物件を含めると66棟・5098室にまで拡大する。同社では従業員向けに社員寮を探している企業への働きかけも行っており、2019年4月以降、約4800室ものニーズがあるという。ニーズが多い他に賃貸住宅ほど物件同士の競合が激しくなく、家賃の値崩れも少ないことから、今後も土地活用としての社員寮の提案を地主に進めていく。

大和ライフネクストの前身はリクルート(東京都千代田区)の流れをくむコスモスライフで、2009年に大和ハウスグループとなった。3月4日に「エルプレイス南砂」で行われた記者発表会に出席した石崎順子社長は「大和ハウスグループに入って、土地を探す力は飛躍的に上がった。マンション管理の他、ホテル管理・清掃などでも大きなシナジーがある」と説明した。

「エルプレイス南砂」の全景

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