天才18歳をなぜ使わない?「モウリーニョが語った教育論」が面白い

トッテナムの下部組織でプレーする天才FWトロイ・パロット。ハリー・ケインの後継者と目される彼は今季U-23プレミアリーグで2試合3ゴール、UEFAユースリーグで4試合6ゴールと大爆発している。

8月のマンチェスター・シティ戦では36分(動画1秒~)にスーパーゴール!

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鋭い反転から左足を振り抜き、ゴール左上隅にズドン…。

ハリー・ケインやソン・フンミンなど怪我人が続出する中、この18歳の天才FWを起用すべきという声も多い。

しかし監督のジョゼ・モウリーニョはまだ2試合の途中出場しか許しておらず、ピッチでは5分ほどプレーしたのみ。

なぜ起用しないのか?聞かれたモウリーニョ監督は以下のように話したとのことだ。

ジョゼ・モウリーニョ 「ゴールを決めるか決めないかは全く気にしていない。重要なのは態度だけだ。

彼が何をやれるのか。他のユース選手たちが彼を見ている。トロイはU-23に行き、プロとしての態度と特権性を見せなければならない。決して不満を抱えながら行くべきではない。

あらゆる子供たち、ユース選手たちが彼のプレーを見る。そしてトロイは『僕はここにいてはいけない』『ここではあまりに役不足だ』『これ以上ここでプレーしたくない』と思ってプレーしていた。

そして、これは経験すべき教育のプロセスなのだ」

「私はユナイテッドでスコット・マクトミネイに言ったことがある。彼は年代別のチームでプレーすることを嫌がっていた。なぜなら、正しいマインドセットを持っていなかったからだ。

そして、彼は考え方を変えた。それから多くのことが変わった。そこに行くたびに彼はあらゆる点で最高のものを見せた。態度も、キャラクターもだ。

これは子供たちと仕事をするための方法だ。人生においてあまりにも簡単な状況にある場合、その逆を見せることも教育の一部だと思う。

トロイは徐々に強くなっていくと思うよ。すべてがステップ・バイ・ステップで進んだ時にね。

即座にではない。なぜなら彼はすぐに準備はできないからだ。だからプロセスなのだ。

もし彼をノリッジ戦でプレーさせて、決勝ゴールを決めたとする。新聞が彼を大きく取り上げても、何も変わらない。翌週にはU-23でプレーする。すべてはプロセスなのだから」

(ハリー・ケインやソン・フンミンが離脱するなか、トロイの出場を求める声も多いが)

「多くの人がいる世界だ。トロイが長髪なのか短髪なのか、ブロンドなのか黒髪なのかも知らない。

彼らは何も知らないのに『トロイ、トロイ、トロイ、トロイ、彼はプレーすべきだ』と言う。

先日ベンチの後ろに『トロイをプレーさせろ、トロイをプレーさせろ』という男がいたよ。彼がトロイのことを知っているとは思わないがね」

目先の利益ではなく、今後のプロ意識を形成するために必要なプロセスを進んでいる最中…というモウリーニョ。教育者としての顔も見せているようだ。

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