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「スポーツジム」「屋形船」「「ビュツフェスタイルの会食」「スキーのゲストハウス」「密閉された仮設テント」「ライブハウス」「カラオケボックス」…そして「雀荘」。
いずれも安倍首相や厚労省が、「新型コロナウイルスが集団感染する恐れがある」と名指しした場所で、その共通点を次のように上げました。
・換気が悪い
・人が密に集まって過ごすような空間
・不特定多数が接触する恐れが高い場所
この条件を見た人々からネットやSNSを通して、一斉にツッコミが入ります。
「『満員電車』と『パチンコ』だろそれ!」
たしかに政府は「時差出勤」や「テレワーク」を推進していますから、カタチ上は「満員電車」を和らげているつもりかもしれません。が、電車ほど、密閉されて換気の悪い場所でお互い至近距離にいる場所もありません。それも日本の労働者の大半が利用しています。
しかし、政府高官や大マスコミや売れっ子芸能人の方々は車やハイヤー移動ですから、そもそも電車通勤も関係なく、「満員電車」を肌で知らないので、ワイドショーあたりで「満員電車も危険ですねえ…」なんていうコメントを聞かされても何の説得力もありません。
そして、SNS上でも指摘されまくっていますが、名指しされた危険場所に「雀荘」はあっても「パチンコ」はありません。
「雀荘って、これまた影響の少ない所を…パチンコにどれだけの人数がこもってると思ってんの?」
満員電車に関しては、「電車を止めたら経済活動が壊滅状態になる」(本当かどうかは別にして)とまで指摘する識者までいますから、なんとなく納得させられた気にはなります。
しかし、パチンコは完全にエンターテイメントで何なら依存症が問題にさえなる「真っ先に名指しされていい場所」のはずなんですが、どうしてか安倍首相も厚労省も、そして大マスコミも口に出しません。
それもそのはず、「パチンコ」はいつの間にか、「オリンピック」と同じく「国の商売」ともいうべき業界になっていたからなのです。
パチンコ業界の最大手「セガサミーHD」と安倍首相は、知る人ぞ知る親密な関係で、そこには「太いパイプ」があります。かつては、亀井静香元議員のような警察官僚OBがパチンコ業界の利益代弁者でしたが、その後に窓口になったのが安倍首相で、その証拠にカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟:超党派国会議員による議員連盟)の最高顧問まで務めていたほどです。
そのカジノには「セガサミーHD」等のパチンコ業界が大きく関わっており、現在まで日本のカジノ構想をすすめるカジノ議連は、いずれもパチンコ業界の族議員と呼ばれる人たちで、もし実現すればカジノは堂々と「国の商売」になるわけです。
パチンコはすで「警察の商売」(許認可権を握りつつ取り締まる先であり、天下り先でもあり、莫大な利益を落とす先)として、国と表裏一体の業界ですので、パチンコによって破産者が出ようが依存者が出ようが、決して切ることはないはずです。
つまり、「新型コロナウイルスが集団感染する恐れがある」場所の筆頭であっても触れることさえなく、代わりに「国の商売」とは関係ない「雀荘」あたりでお茶を濁したわけです。
そうであれば、いまだ感染者も出ていないのに、なぜか名指しされた「雀荘」は、一番の被害者かもしれません。(文◎編集部)