「決勝で強いメルセデス&ハミルトンにフェラーリが勝つのは困難」と元F1ドライバー

 元F1ドライバーのマーク・ウエーバーは、2020年もルイス・ハミルトンがチャンピオン最有力候補であると考えており、ハミルトンとメルセデスがライバルを退けて勝利を飾ることになると予想している。

 メルセデスはバルセロナでのプレシーズンテストで全体の最速タイムをマーク、7年連続タイトル獲得に向け、好調であるように見える。

 カタロニア・サーキットでテスト最速タイムを記録したのはバルテリ・ボッタスだったが、ウエーバーは、2020年にもハミルトンが勝利を収め、ミハエル・シューマッハーの持つ7度の世界タイトル獲得記録に並ぶ可能性が高いと考えている。

2019年F1アブダビGPでのルイス・ハミルトン(メルセデス)

 メルセデスとハミルトンの強力なパッケージにライバルたちが打ち勝つのは簡単ではないと、ウエーバーは主張した。

「実戦においてメルセデスにライバルが勝つのは、ルイスがいることもあって、非常に困難だと思う」とウエーバーは『Sydney Morning Herald』に語った。

「僕としては、フェラーリがフロントロウに並ぶところが見たい。昨年の彼らは予選で非常に速かった。だが、予選ではポイントは獲れない。レースをまとめ上げなければならないのだ」

「その点で強いのがメルセデスだ。彼らは戦略面で優秀だし、ルイスがいることも強みだ。そういった要素が結果につながる。彼らはゆっくりと、ライバルを蹴落していく」

■「ハミルトンが今の強さを身につけたのはラウダとウォルフのおかげ」とウエーバー

 打倒ハミルトンを目指すひとりが、チームメイトのボッタスだ。しかし、ハミルトンと同じ装備で戦うにもかかわらず、ボッタスが勝利を収めるのは難しいとウエーバーは考えている。

「バルテリに何か悪いところがあるわけではない。けれどもハミルトンは、F1の70年の歴史のなかで最も優れた才能の持ち主のひとりだ。彼は誰にとっても頭痛の種になる。彼の隣で落ち着いていられる者がいるのかは疑問だ」

「ルイスはとてつもなく強く、誰であれ、彼に勝つのは途方もなく難しい。バルテリはできることをやっているが、ハミルトンは敵として非常に厄介だ」

「彼はハングリーで、今も粘り強く、自己改革をしている。それが彼の並外れた資質であり、見ていて素晴らしいところだ」

2020年第1回F1プレシーズンテスト1日目:ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 35歳で13シーズンを経験し、6度の世界タイトルを獲得してきたハミルトンは、衰えの兆しをまったく見せていない。ハミルトンは、スキルを磨き、高いモチベーションを保っており、今が絶頂期であるといってもいいかもしれない。

「彼がキャリア半ばにいるころ、それほど長いキャリアにならないのではないかと心配する人々も、少数ながらいたと思う」とウエーバーは言う。

「だがその後、彼はうまく調子を取り戻した。それは(メルセデスの)ニキ・ラウダとトト・ウォルフの庇護のおかげかもしれない。その影響は大きかったと、僕は考える」

「父親との関係もはるかに良くなっているようで、それも素晴らしいことだ。月曜日から金曜日まで、彼の生活はこれまでにないほどに安定している。そのことがパフォーマンスに反映されているのだ」

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