ハノイに渡り 学びの場創出 三春出身二瓶彩菜さん 古里の教育が基盤

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 三春町出身の二瓶彩菜さん(32)は、ベトナムのハノイで教育事業に取り組んでいる。東日本大震災後、後悔しない人生を歩もうと起業した。重視するのは、体験を通した学びの提供だ。職業体験や自然活動、社会科見学などで豊かな感性を育む。古里で受けた教育が基盤になっており、事業を通して、自分が育った福島と世界をつなごうと夢を描く。

 ベトナムは親日国として知られ、日本企業が多く進出している。二瓶さんは二〇一九年夏から事業を本格化させた。現地の幼稚園と提携し、三歳から五歳までの子どもを対象にした幼児教室を開いた。

 カリキュラムは、知識の詰め込みではなく、子どもの興味や関心の幅を広げるのに重点を置く。農業体験や企業見学、ものづくりなどに取り組む。カフェでハンバーガー作りに挑戦したこともある。子どもたちは目を輝かせて活動する。

 プログラミング教室も設けた。自ら考える力を養うためだ。事業の軸に据え今後、日本でも展開したいと構想を練る。

 三春町の岩江中からあさか開成高に進み、神奈川県立外語短大を卒業した。中学時代、厳しい校則や授業の合間のチャイムはなかった。文化祭は生徒が企画、運営をすべて担った。自主性を重んじる雰囲気が校内に満ちていた。外部講師を招いた授業が多く、世界に目を向けるきっかけになった。「三春で育ったことで自由と責任を自覚し、自信を持てた」と振り返る。

 東日本大震災で古里を見つめ直した。自分が経験した教育を改めて誇らしく思った。子どもに関わる仕事に以前から興味があり、会社を興そうと決意した。「福島には素晴らしい教育がある。福島の良さを発信するとともに、教育を中心にして世界の子どもたちをつないでいきたい」と話している。