新生ラリークロス『タイタンRX』に全5戦10ラウンドのサポートシリーズ導入

 ラリークロス界の頂点に君臨するWorldRX世界ラリークロス選手権と、各国で開催される国内選手権との橋渡し役となる“セカンドグループ”として、2019年にスタートした新たなラリークロスチャンピオンシップ『TitansRX(タイタンRX)』。4月末に開幕し、全7戦で争われる2020年シーズンでは新たにサポートシリーズの創設がアナウンスされ、その“Supercar Cup(スーパーカー・カップ)”にはALL-INKL.COMの全面協力によるワンメイク車両が導入される。

 オーストリアの名門コンストラクター、MJPレーシング代表のマックス・プッシャーが発起人となり、元WRC世界ラリー選手権王者のアリ・バタネンもアンバサダーを務めるタイタンRXは、初年度からWorldRXのトップドライバー陣や北米のGRCグローバル・ラリークロス王者、スポーツカー耐久やツーリングカーのチャンピオン獲得経験者など、数多くの実力派ドライバーが参戦した。

 シリーズでは独自の“アライブ&ドライブ”システムが採用され、エントリーする各ドライバーにはそれぞれのサブスクリプションに応じて、レンタル用に537PS/750Nmを発生するワンメイク車両『Pantera RX6(パンテラRX6)』が用意される。

 このパンテラRX6はシザーウイングドアが採用され、ヒュンダイi30やアウディA1、メルセデス・ベンツAクラスなどのボディを架装したマシンだ。このワンメイク車両があらかじめ用意されているため、ドライバーは各会場まで足を運べばすぐに競技を始められる仕組みが整えられた。

 そのトップカテゴリーに加えて、創設2年目となる2020年シーズンに向けてはサポートシリーズに“The ALL-INKL.COMタイタンRX スーパーカップ”と呼ばれる新たなタイトルを立ち上げ、そのマシン製造と供給をレネ・ミュニッヒ率いるALL-INKL.COMが担当することが決まった。

2020年初導入の”Supercar Cup(スーパーカー・カップ)”にはALL-INKL.COMの全面協力によるワンメイク車両が導入される
タイタンRXでは、537PS/750Nmを発生するワンメイク車両『Pantera RX6』を採用する

「我々の新たなブランドパートナーであるALL-INKL.COMを歓迎したい。これにより、シリーズでFIA規定RXスーパーカーでのレースも提供できることを喜ばしく思う」と語ったのは、シリーズCEOを務めるマックス・プッシャー。

「初年度の2019年にもふたつのラウンドで試験的にFIA規定RXスーパーカーを走らせたが、ファンにとっても非常にエキサイティングなラウンドとなった。レースウイークにふたつのカテゴリーによる競技が楽しめるのは最高の組み合わせになるだろう」

 サポートレースのスーパーカー・カップはタイタンRXのシリーズ全7戦中、ポルトガルとカナダを除く5戦での開催が予定され、週末ダブルヘッダーで全10ラウンドを実施。各ラウンドでの獲得ポイントに応じて、成績上位者がカレンダー最後のダブルポイント戦“グランド・フィナーレ”へのエントリー資格を得る、トップカテゴリー同様の仕組みが採用される。

「このスーパーカー・シリーズはALL-INKL.COMの支援により、非常に安価なエントリーフィーが実現した」とも付け加えたプッシャー代表。

 初年度はフル参戦パッケージとして10台が用意され、そのなかには北米のフージャー・レーシング・タイヤが供給するワンメイクタイヤ10セットの価格も含まれる。さらに追加のRX用タイヤセットも安価な価格で提供されるという。

「この新たなコンペティションをサポートできることを光栄に思う」と語ったのは、ALL-INKL.COMのCEOであり、自身もツーリングカーやラリークロスで戦ってきたレネ・ミュニッヒ。

「この新カテゴリーに関わることにより、2年目のチャンピオンシップに対し真に価値ある競争をもたらし、国際的なラリークロスのカレンダーにおいても確固たるポジションを示せると考えている」

「シリーズでは欧州域内の非常に純粋なラリークロス用トラックを舞台に、費用対効果の高いチャンピオンシップを提供する。面白いシーズンを楽しみにしているし、2020年のすべての参加者に対し、幸運と喜び、武運があることを祈っている」

初年度はハンセン兄弟やトピ・ヘイキネンらがタイトルを争い、ケビン・ハンセン(左)が初代王者に
導入車両への言及はないものの、WorldRXにも投入したセアト・イビーザRXスーパーカーが用意されそうだ

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