アストロズ選手が他球団投手に連絡、「癖で球種がばれている」と伝えたという
アストロズのサイン盗みの余波は依然続いている。他球団の選手が続々と“怒り”の声をあげている。米メディア「ブリーチャー・レポート」によると、アストロズの選手が他球団の選手に「マインド・ゲーム」を仕掛けたこともあったという。オリオールズのアレックス・カッブ投手は“被害”の模様を激白している。米メディア「ブリーチャー・レポート」が伝えた。
カッブはレイズ在籍時の2017年7月31日にアストロズ戦で3回9安打8失点と炎上。この年にキャリアハイの12勝を挙げた右腕は同年オフにFAとなりオリオールズと4年総額5700万ドル(約61億円)で契約を結ぶのだが、この日だけは別人だった。ゴミ箱音を数えたサイン盗みスキャンダルのウェブサイトによると、アストロズはその試合で計28度ゴミ箱を叩き、カッブに対しては20度ほど叩いたという。そして記事では断じている。「アストロズがしていたのはサイン盗みだけではなかった。彼らは更なる嘘を重ねたのだ」。
カッブが「ブリーチャー・レポート」に語ったところによると、この試合後、アストロズのある選手が連絡を取ってきたという。投手として「いいものを持っている」とカッブを褒めた上で、投球時の癖によって球種がばれていると指摘した。「どんなことかは具体的には言わなかった。『グラブに関することだ』とだけ言った」といい、カッブはそれが誰だったのか明らかにしていない。
カッブはそう聞いて“ハッピー”に感じた。素晴らしいシーズンの途中で、何故あんなにも打たれたかが分かったと思ったからだ。しかし、翌日に登板して4失点したクリス・アーチャー投手(現パイレーツ)が米スポーツメディア「ジ・アスレチック」に、同じようなことが起きたと話したことを知った時、カッブはこう思ったという。
連絡を受けたアレックス・カッブ投手「多くの人を眠れないくらいに悩ませた」
「アストロズは意図的に投球時の癖のことを相手投手に知らせて、狼狽(うろた)えさせようとしていた」
「多くの投手は大袈裟なところがあって、悪い登板をするともうキャリアが終わったと考えがちだ。その年は、僕がFAになる年だったから毎試合生きるか死ぬかという感じで投げていた。だから、こんなことに過剰反応してしまう。キャリアが終わってしまったという気分になった」
その後、オリオールズと契約を結んだカッブは幸運な投手の1人であることを強く感じている。「あの試合は本当に苦しかった。僕は(アストロズによって)次の投球のチャンスが巡って来なかった投手に本当に同情するよ。彼ら(アストロズ)は、良く打てて気分が良かったかもしれないけど、多くの人を眠れなくするくらいに悩ませたんだ」。
他球団の投球に仕掛けた「マインド・ゲーム」。サイン盗みのみならず、心理的に追い詰める手法も駆使していたのだろうか。そうであればアストロズの闇はより一層深い。(Full-Count編集部)