「釜山の孫に会えない」 長崎県内3国際旅客航路運休へ 対馬の女性 早期の終息願う

韓国からの運休前最終便となった高速船=長崎県対馬市、比田勝港

 中韓両国からの入国制限強化で、県内三つの国際旅客航路は7日の長崎-香港の航空路線を最後に当面は全て運休となる。6日は韓国・釜山から対馬に高速船の最終便が到着。日本人の乗客は「釜山にいる孫にしばらく会えなくなる」と早期の終息を願った。
 県内の国際旅客航路は、長崎-上海、長崎-香港の2空路と、釜山-対馬を高速船で結ぶ航路がある。上海線は2月7日から4月27日まで運休が決まっていた。
 釜山の定期航路は5社が参入しているが日韓関係悪化の影響で4社が運休中。釜山-博多を結ぶJR九州高速船(福岡市)は7日から対馬の比田勝港を経由する便を運休する。
 6日、比田勝港で高速船から降りてきた対馬市美津島町の村崎美都子さん(70)は釜山の孫に会うために韓国を訪れていた。「(滞在中は)感染防止のため1週間ずっとショッピングにも行かず家の中で過ごした。孫にしばらく会えなくなるので早く終息してほしい」と寂しそうに話した。
 政府は入国制限を月末までとしている。JR九州高速船の広報担当者は「4月以降の運航は未定。新型肺炎の感染状況や政府の動向などを総合的に判断して決める」と話した。
 一方、中韓からの入国者数を抑制するため航空便の到着先は成田空港と関西空港に限定される。このため長崎-香港を週3回結ぶ格安航空会社(LCC)香港エクスプレスは7日が最後の運航となる。長崎空港ビルディングの担当者は「今後も減便や運休が増えれば、空港内の飲食店や土産品店の営業時間短縮も考えなければならない。乗降旅客数も落ち込んでおり、観光業へのダメージは大きいのではないか」と懸念した。

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