再びプレーに喜び 桃田選手会見 支援や応援励みに

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 遠征先での交通事故から復帰し、六日に東京都内で記者会見したバドミントン男子シングルスの桃田賢斗選手(25)=NTT東日本、富岡高出身=は「今は羽根を打つのが楽しい」と再びラケットを握れた喜びを表した。背中を押してくれた人のため、四カ月後の東京五輪で栄冠を勝ち取ると宣言した。

 マレーシアでの交通事故を「バスで寝ていたが衝撃で起きた。けがで動けず、ずっとぐったりしていた」と回顧した。右目の眼窩(がんか)底骨折が判明した時は、治るか不安になり手術の回避も選択肢だったと明かした。

 「またコートに立っている姿が見たい」。以前に訪問した小学校からの手紙や、尊敬するアスリートからのメッセージなどが励みになった。二月末に練習復帰した際は「また二重に見えるのでは」と恐怖もあったが、「今はすごく楽しい。もっと上手になりたいと純粋な気持ちで取り組めている」という。

 ライバルが多く出場する全英オープンが十一日に始まる。「この時期に試合に出られないのは致命的」とした上で、「動きたくなるのをセーブするのが課題。今まで以上に強くなるため、焦らずにやる」と笑顔を見せた。

 ■後輩にはエール

 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で中止となった全国高校選抜大会について、富岡高時代に東日本大震災による中止を経験している桃田選手は「目標を失ってしまいそうだが、腐らずに踏ん張り、インターハイでハイレベルな試合を見せてほしい」と高校生にエールを送った。

 ■「一歩一歩乗り越えて」 県民の声

 県内の関係者は桃田選手の元気な姿に安堵(あんど)した。富岡高時代の桃田選手が東日本大震災後に寮生活を送った猪苗代町の宿泊施設「あるぱいんロッジ」の平山真さん(71)は「今は何より自分自身を大事にしてほしい」と思いやった。

 富岡一中時代に指導した広野町のふたば未来学園中バドミントン部の斎藤亘監督(48)は会見での発言に今回の経験を通した新たな成長を感じた。「大会での復帰へ一歩一歩乗り越えてもらいたい」と教え子を気遣った。

 県バドミントン協会の吉田邦男会長(77)は「やるぞ、という顔つきだった」と復帰を喜んだ。「一番輝くメダルを期待しているが、焦らず今まで以上に体調管理に気を付けてほしい」と願った。