しっとりした甘い生地に香るカボチャ、ニンジン、アスパラガス、ブロッコリー。規格外の地元産野菜を使った焼き菓子「さいかい元気フィナンシェ」4種を、県立西彼農業高(西海市西彼町、原口三徳校長)と同町の菓子店が共同開発した。今月、販売を始め、生徒たちは「西海市を元気にする土産物になれば」と期待を寄せている。
同校は2014年から地元農産物を使った加工品の開発に市や地元生産者などと取り組んでおり、今回が第4弾。規格外の野菜は販売が難しく、市農業振興公社はペーストにして加工品に使用しようと企業などと模索している。今回は公社側がペーストを使った菓子を作れないかと提案し、4種類のペーストを同校に提供した。
同校の部活動、食品加工部の6人は昨年3月、日持ちして観光客に土産品として買ってもらえるような菓子の開発に着手。野菜の風味がしなかったり彩りがうまくいかなかったりして苦労しながら、生地に野菜ペーストを練り込む分量などに試作を重ねた。8月から同町小迎郷の和洋菓子店「フレージュ近藤」の店長、近藤晴彦さん(54)も加わり、練り込むペーストの量を調整し、風味や食感を改良したレシピを仕上げた。
商品は近藤さんが焼き上げる。販売初日、部員3人が店頭に立ち来客に試食を促しながら販売した。1年の高橋幸士朗さん(16)は「野菜の風味よりも甘さが上回り、試作を重ねた。規格外の野菜の活用につながれば」と話した。
近藤さんは「生徒さんは商品名やパッケージも考え、頑張ってくれた。将来的に直売所や物産展にも出すことができれば」と展望する。フィナンシェはフランス発祥の焼き菓子。1個120円。フレージュ近藤で販売している。
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