戦時中の暮らし、今に伝え 川崎市平和館で大空襲展

戦時中の川崎での暮らしが分かる展示が並んだ「川崎大空襲記録展」=川崎市中原区、川崎市平和館

 1945年4月15日夜に川崎市や東京都南部が爆撃された「川崎大空襲」の記録をひもといて平和について考える「川崎大空襲記録展 私たちのまちに『空襲』があった」が5月6日まで、川崎市平和館(川崎市中原区木月住吉町)で開かれている。入場無料。

 川崎は、戦時中は軍関係の工場が数多くあったことから広く空襲の目標とされた。今の平和館の場所には飛行機の部品などを作る「東京航空計器」の本社があったため、激しい空襲を受けた。

 同展は今年で14回目となり、今回は「自分たちが今、生活している場所の戦時中の様子を知ることで、我がこととして平和を考えよう」がテーマ。現在の平和館近くの空撮写真に36年、45年、46年、59年、79年の空撮写真を合成したパネルを新たに作り、戦前から戦後にかけての一帯の様子の変化を分かりやすくビジュアル化した。また、軍需工場に動員された人たちの写真も数多く並べ、当時の暮らしがうかがえるようにした。

 展示を担当した同館の松井卓賀子さんは「戦争になると自分たちの暮らしがどうなるのかということは、なかなか想像するのが難しい。若いお母さん、お父さんや子どもたちが平和について考えられるような、平和への入門編のような展示にした」と話している。

 新型コロナウイルスの感染防止策として、7日に予定されていた空襲や動員の体験者を招いてのオープニングイベントは中止となったが、展示は行われている。毎週月曜と第3火曜休館。

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