東京ディズニーランド「エレクトリカルパレード」気持ち高まるモーグの響き!

1985年 3月9日 東京ディズニーランドで「エレクトリカルパレード」が初めて開催された日

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1985年にスタート!東京ディズニーランド「エレクトリカルパレード」

1983年4月、東京ディズニーランドが開園した。もう10年以上行ってないが、80年代には結構な回数で足を運んでいた。びっくりするかもしれないけれど、開園当時のディズニーランドでは至るところでタバコが吸えた。そしてその吸殻はその辺に捨ててもOKだったのだ。園内の清掃スタッフ(今はカストーディアル・キャストというらしい)がパタパタと極めて手際よく片付けてくれたからだ。

閑話休題、いきなり話がずれた。

ディズニーランドには実に良質な音楽が溢れている。古き良きアメリカというか、アメリカの良心というか。もちろんアメリカという国には別の側面もあって、それをここで語るつもりはないのだが、ともかく、極東の島国から見た “夢の国アメリカ” は光り輝いていた。真珠湾攻撃の7年後(敗戦からわずか3年後)に「憧れのハワイ航路」という歌が大ヒットしてしまうくらい、戦後日本人のアメリカに対する憧憬は強かったと思う。

僕もそうだった。僕はディズニーマニアでもなんでもないけれど、あの「アメリカ的なるもの」には気持ちが高まった。音楽のジャンルでいうと、ラグタイム、ディキシー、ジャズ、カントリー&ウエスタン、そして珠玉のディズニークラシックス。枚挙にいとまがない。なかでも僕が一番心惹かれたのが、開園から2年後にスタートした「メインストリート・エレクトリカルパレード」のテーマソングだった。

パレードのメインテーマはペリー&キングスレイ「バロック・ホウダウン」

このメインテーマ、実はディズニーのオリジナルソングではない。原曲はペリー&キングスレイという電子音楽のユニットが1967年に発表した「バロック・ホウダウン」という曲。アナログ・シンセサイザーの名機、MOOG(モーグ)を駆使した完璧かつ画期的なサウンドで、ディズニー版のアレンジも原曲のフォルムを忠実に踏襲していることがわかる。

一方、会場の音響設計にも心奪われた。簡単に説明すると、パレードの道沿いに設置された固定スピーカーでメインテーマの「バロック・ホウダウン」を鳴らし続け、移動する山車ごとのスピーカーで様々なキャラクターのテーマを流すという仕組み。その上、エリアごとのセンサーが秒単位の同期を図っているので、どの場所で見ても違和感なくパレードが楽しめる演出になっていたのだ!

モーグサウンドをデジタルシンセでリメイクするも…

時は過ぎ2001年。95年にいったん終了したこのイベントは復活する。電飾は大幅にパワーアップ、LEDや光ファイバーも導入された「エレクトリカルパレード・ドリームライツ」と名を改め、その眩しさは倍増した。ただ、存在感のある音でゲストをワクワクさせてきた魅惑のモーグサウンドが、このタイミングで変更を余儀なくされてしまう。

分かるよ。リニューアルも必要だろう。でも、僕はこのサウンドリメイクがどうしても好きになれない。決してノスタルジーや郷愁で言っているわけではなく、もっと歴史を学んだトライをするべきじゃないか? デジタルシンセやオーケストラで派手に分かりやすくすればいいってもんじゃない。だって、明らかにモーグを使ったサウンドのほうが、艶やかで煌びやかな空間を演出できるのだから。

筆者注(楽曲の補足説明):
■ バロック・ホウダウン / ペリー&キングスレイ(1967)
エレクトリカルパレードで使用されたバージョンの変遷
1972年~:ジム・クリステンセンとポール・ビーバーによるアレンジ
1977年~:ドン・ドーシーとジャック・ワグナーによる再アレンジ。東京ディズニーランドはこれを流用(1985年~1995年)
2001年~:ドリームライツと名を改め、グレゴリー・スミスによる大幅リメイク

※2017年3月8日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 太田秀樹