肘・膝のスポーツ障害予防、小学生から 横須賀市、横浜DeNAや横浜Mとも連携

大縄飛び大会で息を合わせてジャンプする子どもたち=横須賀市内

 神奈川県横須賀市は2020年度から、小学生の肘や膝のスポーツ障害を予防するための検査事業を始める。市内に練習拠点のあるプロスポーツチームと連携して予防トレーニング講習なども行う。上地克明市長は「予防することで一人でも多くの子どもが競技者としてだけでなく、生涯にわたってスポーツを通じて人生を楽しめる環境をつくりたい」と導入の理由を説明している。

 高校野球では、1投手が投球できる総数を1週間で500球以内とする投手の投球数制限を定めるなど、子どものスポーツ障害予防への関心が高まっている。

 市スポーツ振興課によると、少子化で競技人口が減り、野球ではエース投手への負荷が増しているといった声も聞かれるという。こうしたことから、将来にわたりスポーツを楽しめる環境をつくろうと、20年度予算案に「少年期スポーツ障害予防対策事業」として79万円を計上した。

 まずは競技人口の多い野球とサッカーの2競技に取り組む小学5、6年生を対象に、スポーツ整形の医師が肘や膝の超音波検査を行う。

 予防トレーニング講習は、市内に練習拠点があるプロ野球・横浜DeNAベイスターズとサッカーJ1の横浜F・マリノスと連携する。球団トレーナーがストレッチ方法や試合や練習前のアップ方法などを子どもに伝える。医師を招いて指導者向けにスポーツ障害への正しい知識を知ってもらう講話も開催する。

 上地市長は「効果を見極めた上で、将来的に他の競技にも波及できないか検討したい」としている。

 また、スポーツに接する機会を増やし、自分に合った競技を見つけるため、民間と連携し、敏しょう性やジャンプ力など六つの項目を測る「スポーツ能力測定会」も実施する。

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