12球団で期待の若手は誰? オープン戦で急浮上、開幕1軍入り近づく新星たち

ヤクルト・吉田大成(左)と広島・森下暢仁【写真:津高良和、荒川祐史】

ヤクルトの吉田大成はここまで9打点、塩見泰隆は打率.367、2本塁打

 プロ野球は現在、オープン戦の真っ只中。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オープン戦は無観客での開催となっている。ファンの声援がない難しい環境の中で、選手たちはペナントレースの開幕に向けて調整を続けている。

 主力選手たちが状態を上げていく重要な調整の場であるオープン戦。その一方で若手にとっては開幕1軍に向けてアピールする貴重な機会となる。そこでここでは現在行われているオープン戦でアピールする若手に注目。シーズンでも活躍が期待できそうな選手をピックアップしてみたい。

 ここまでのオープン戦で、打者で最も結果を残している若手と言えば、ヤクルトの吉田大成内野手と塩見泰隆外野手の2人。吉田は9試合で27打数9安打、打率.333をマークし、12球団トップの9打点をマーク。塩見も12球団で4位となる打率.367、2本塁打を記録しており、開幕スタメン獲りに向けてアピールを続けている。

 ヤクルトは投手でも清水昇投手や、ソフトバンクの育成から支配下登録で加入した長谷川宙輝投手が結果を残している。ともにオープン戦3試合に登板して防御率0.00となっており、リリーフ陣の一角に食い込んでくる存在として期待される。

 セ・リーグではヤクルト勢のほかにも楽しみな若手が。巨人では戸郷翔征投手は1日のヤクルト戦で5回無失点、6奪三振と好投し、開幕ローテ入りを手中に収めた。北村拓己内野手は出番こそ少ない中で打率.500、出塁率.727とアピール。DeNAでは3年目の斎藤俊介投手がここまで3試合無失点、2セーブと好投を続けている。

広島1位の森下は開幕ローテ当確、鷹3位の津森やハム4位の鈴木も無失点継続

 パ・リーグでは西武の川越誠司外野手やオリックスの宜保翔外野手、育成から支配下に昇格したばかりの漆原大成投手らが奮闘。川越はまだ打席数は少ないが、10打数5安打1本塁打と打撃面で結果を残す。宜保はここまで8試合で18打数9安打と打率5割。漆原も4試合に登板して、いまだ無失点と開幕1軍入りへアピールしている。

 3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本一を目指すソフトバンクでは古谷優人投手や育成の尾形崇斗投手、砂川リチャード内野手らもアピールを続けるが、その中でも栗原陵矢捕手が急浮上中。オープン戦は打率.308、特大の本塁打も放っている。捕手だけでなく、一塁や外野もこなせ、開幕スタメンの可能性すら浮上している。楽天では3年目の山崎幹史内野手がここまで9試合で20打数7安打、打率.350と猛アピールしている。

 ルーキーたちにも開幕1軍入りの候補が多数並ぶ。広島のドラフト1位・森下暢仁投手は8日の西武戦で5回を投げて3安打無失点。強打の西武打線から8三振を奪う好投で開幕ローテ入りは確実な状況に。ソフトバンクの3位・津森宥紀投手は3試合連続無失点、日本ハムの1位・河野竜生投手は3日の巨人戦で4回1安打無失点、4位・鈴木健矢投手は4試合連続無失点とそれぞれ好投している。

 このほかにもオリックスの5位・勝俣翔貴内野手はすでにオープン戦で2本の本塁打を放ち、中日では2位・橋本侑樹投手や3位・岡野祐一郎投手、4位・郡司裕也捕手、西武の2位・浜屋将太投手らが開幕1軍に向けてアピール中だ。

 ここには挙がっていないながら、楽しみな若手はこの他にもいる。2020年はどの選手が台頭してくるのか。ペナントレースの開幕が待ち遠しい。(Full-Count編集部)

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