【熊本県知事選】期日前投票所、公共施設以外は設置進まず

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2016年参院選で、大津高に設置された期日前投票所。以降は、県内の高校、大学での設置実績はなく、今回の知事選でもゼロ=大津町

 熊日の20代の記者らが同世代の視点から取材する企画「#選挙に行かなきゃダメですか?」。22日投開票の熊本県知事選は18歳選挙権導入後初とあって、「学校やショッピングモールで投票できれば、若者の投票率が上がるのでは」と考え、知事選の期日前投票所の設置状況を調査した。だが公共施設以外への設置はごくわずかだった。

 熊日が1月に県内3大学の学生約600人を対象に実施した「選挙・政治意識調査」でも、若者の投票率の向上策として、記者同様に、ショッピングモール、大学、高校などへの投票所設置を挙げる声が多かった。

 県の選挙管理委員会によると、今回の知事選で設置される期日前投票所は141カ所。このうち、公民館や町役場などの公共施設が134カ所で95%を占め、ショッピングモールなど商業施設は八代市や荒尾市などの5カ所のみ。学校はゼロだった。

 選挙権が引き下げ後に初めて実施された2016年参院選では、大津町が町内の2高校に期日前投票所を設置したが、今回は設置を見送った。町選管は「今回の投票期間は選挙権がある3年生は既に卒業しており、生徒が集まらないと判断した」と話す。

 また、県内の9大学では、これまで投票所設置の実績は無し。7大学が集中する熊本市選管は「住民票が市外にあり、投票できない学生が多く、学内に設けても利用が見込めない」などと説明する。同市の期日前投票所は最多の24カ所あるが、すべて公共施設となっている。

 期日前投票所は市町村選管が設置するが、県選管によると、県内での学校への投票所設置は大津町以降はないという。県選管は若者の投票率向上のため、学校や商業施設への設置を呼び掛けているというが、あまり設置が進んでいない。

 今回の知事選は新型コロナウイルスの感染拡大で、特に投票率低下が懸念されるだけに、県選管も「混雑を避けるため、期日前投票の積極的利用を」と呼び掛けている。投票に行きやすい設置場所の議論は、もっとあってもいいのではないだろうか。(丸山伸太郎、24歳)

 主権者教育こそ重要

 鈴木桂樹・熊本大教授(政治学)の話 期日前投票所の場所や数を改善すれば、若者の投票率が上がるかもしれないが、それだけで十分ではない。国政選挙の投票率は18歳より19歳の方が低い傾向にある。高校を卒業したら選挙に行っていないという表れで、自ら考えて投票に行くようになるためには、主権者教育が重要だ。