草刈りロボット販売 元陸自の社長が事業化

指定した範囲内を自動で動き回って雑草を刈り取るクロノス=佐世保市高砂町

 長崎県佐世保市のスタートアップ企業、ASTは、産業機器メーカー和同産業(岩手県花巻市)が開発・製造した、自律走行するロボット草刈り機「KRONOS(クロノス)」の販売を担う。九州の拠点となり、機材の改良にも協力。リースを含め年間100台程度の売り上げを目指す。
 クロノスは、ワイヤで指定した範囲内を動き回って雑草を刈り取る。障害物があると反転。基本的に無人での作業が可能となる。
 高さ約60センチまで伸びた草に対応。1回1時間の充電で、1時間作業できる。電池の残量が少なくなると、自動で戻って充電を始める。悪路や傾斜角20度ほどでも走行できる。人手不足の解消に加え熱中症防止など高齢者らの負担軽減につながることが期待される。
 ASTの藤井義太社長(40)は元陸上自衛官で、相浦駐屯地にも勤務した。自らも訓練場の草刈りに追われた経験から、こうした作業を事業化できないか模索。クロノスの存在や和同産業が九州での展開を検討していることを知り、陸自を退職した。昨年10月にASTを設立。2月から本格的に売り出した。
 顧客は陸自のほか、太陽光発電事業やゴルフ場などを運営する企業を想定。一般家庭向けに、定額制サービスも設ける。
 ASTは、佐世保市高砂町のコワーキングスペースに事務所を設けた。藤井社長は「洗濯に例えるなら、今の草刈りは洗濯板で手洗いしている状況だ。洗濯機も全自動の時代。ありそうでなかった商品、サービスを届けたい」と語る。
 価格は1台49万円。リースや代行サービスも予定している。問い合わせは、AST(電0956.59.5107)。

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