除染後も大雨などで山から放射能、再除染が必要

 国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは9日、東京電力福島第一原発事故の影響で放射能に汚染された地域が除染後の大雨で再び山々から流れ出した放射能に汚染され、非常にリスクの高い「ホットスポット」を生み出していると指摘。発見されたホットスポットについては再除染をするとともに、継続してモニタリングするよう政府に提言した。

 グリーンピース・ジャパンは昨年10月16日から11月5日にかけて飯舘村、浪江町の帰還困難区域と避難指示が解除された地域、大熊町、阿武隈川河川区域、オリンピックで競技が行われる福島市と聖火リレーの出発地点Jヴィレッジ周辺で放射線量を測定している。

 その結果、浪江町の避難指示が解除された区域の小学校周辺で道路脇近くの森から流れ出たとみられる泥つきの葉や枝が溜まり、ホットスポットになっていたほか、聖火リレーの出発地点のJヴィレッジでは地表面付近で最大毎時71マイクロシーベルトと非常にリスクの高いホットスポットが見つかったとしている。

 この状況を環境省に通報したところ、これを受けて東京電力が12月に局所的な除染を実施した。しかし、その後の再調査で別の個所で複数のホットスポットが見つかった、としている。これは継続してモニタリングする必要性を裏付けている。

 浪江町住民で兵庫県に避難している調査協力者の菅野みずえさんはグリーンピース・ジャパンの取材に「世界の人々に福島県の実情を知ってもらいたい。大雨で放射能が山々から流れ出し、除染された地域に流れ込んでいる。私の自宅周辺で見つかった放射能レベルは、これまでにないほど高いものだった」と答え「いったん原発事故が起きるとこのようになってしまう。そして、間もなくオリンピックが開催されようとしているのに、何も問題ないフリをしている。それは間違っていると知ってください」と事実を公表し、適切な対応をとるよう求めている。(編集担当:森高龍二)

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