対馬の海ごみ観測へ 人工衛星、ドローン活用 長崎大など実証実験 予測システム構築目指す

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対馬の環境団体関係者と、打ち上げられた漂着ごみを確認する長崎大の山本副学長(右)=対馬市厳原町上槻

 長崎大は9日、対馬の沿岸に大量に打ち上げられている漂着ごみを人工衛星やドローンを使って観測する産学連携のプロジェクトチームに加わり、今月から実証実験に取り組むと対馬市役所で発表した。全国各地の人工衛星関連企業などと連携し、2022年度までに効率的な海ごみ回収に向けた予測システムの構築を目指す。
 プロジェクトチームは長崎大のほか人工衛星部品を開発するベンチャー企業「天(あま)の技(ぎ)」(東京)など7団体で構成。「天の技」の工藤裕CEOがリーダー、ロボット工学が専門の山本郁夫・長崎大副学長がサブリーダーを務める。
 会見では、長崎大で開発した人工知能(AI)を搭載し漂着ごみの種類や量を自動識別できる空撮ドローンや、自動航行しながら水中のマイクロプラスチックを採取できる船状の洋上ドローンなどを対馬沿岸で稼働させる計画を山本副学長が説明。人工衛星で対馬沿岸を撮影した衛星写真と併せて分析することで「マクロからミクロまで海ごみを観測できる」と解説した。
 長崎大の研究者は記者会見後、同市厳原町内の海岸で漂着ごみの現状を視察。地元の環境団体の案内でさまざまな国のごみが対馬に流れ着いていることを確認した。山本副学長は取材に「漂着ごみは世界的な課題。予測システム構築後は成果を発信し、地球全体の海ごみ問題の解決に向けて貢献したい」と話した。
 対馬市によると対馬沿岸には本年度、推定約6万立方メートルのごみが漂着しており、このうち回収できた約8千立方メートルだけでも処分費は約2億8千万円に上る。