「サッカーしたかった」 海老名市が全市立小の校庭を開放

校庭での運動を楽しむ海老名市立中新田小の児童たち=海老名市中新田1丁目

 海老名市は9日、新型コロナウイルス感染拡大で臨時休校中の児童のために、全市立小学校の校庭を開放した。子どもたちは広いグラウンドで、同級生らとサッカーや縄跳びなどで体を動かし、久しぶりに校庭に児童の声が響いた。

 市立中新田小学校(同市中新田1丁目)では、児童441人のうち136人が校庭を利用した。

 午前10時の開門を前に、続々と集まった子どもたちは登録を済ませると、校庭に駆けだし、ボール遊びや遊具遊び、ベンチに座っておしゃべりなど、約1時間半と限られた時間を、思い思いに過ごした。

 6年の男児たちはサッカーに興じた。「自宅では運動できなかったので、サッカーを思い切りしたかった」とは男児の1人。早速、シュートを練習するなどしていた。3年の長男と1年の次男に付き添った主婦は「2人とも力が余って家の中で暴れていた」と笑い、「校庭が開放されて助かった」と市の対応を喜んだ。

 同校の教員らは手分けをして、通学路や校庭で児童の安全を見守った。奥泉憲校長は「子どもたちの元気な姿を見ることができてよかった」と安堵(あんど)していた。

 各校を巡回した伊藤文康教育長は教員らに「子どもたちは先生と話をしたがっている。この機会を生かし、子どもたちに声を掛けてあげてほしい」と呼び掛けた。

 市によると、9日は全児童計約7100人の約3割に当たる約2200人が利用。市は10、12、13日も、午前10時から11時半まで、校庭を開放する。

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