【聖火をつなぐ】4 「外国人活躍の契機に」 松浦安利さん(50)(徳島市中常三島町2、徳島大国際センター講師)

 徳島県内で在住者が増えているベトナムの出身。徳島大で医学を教え、留学生の支援にも携わる。豊かな自然や人の温かさに心を打たれ、昨年3月に日本国籍を取得した。日本人として初めて迎える祭典。聖火ランナーになれたのは、応募を勧めてくれた妻のおかげだと感謝する。

 医者を志し、18歳でブルガリアの大学に留学。卒業後、母国で医師免許を取り、医科大学の教員などを経て、いとこの紹介で36歳の時に徳島大に留学。医学博士号を取得して2010年に母国に戻り、現地で知り合った日本人女性と結婚した。

 48歳の時に徳島大国際センターの講師となり、留学生らに論文の書き方などを指導している。日本文化を紹介するとともに、携帯電話の契約、アルバイト探し、運転免許取得といった生活相談にも応じる。徳島を好きになる留学生を増やすのが目標だ。

 県実行委員会が選んだ聖火ランナーに海外出身者はいなかった。多言語で希望者を募っていなかったのを理由に挙げ、「日本人との交流イベントに外国人を参加しやすくしてほしい」と訴える。

 県内で暮らす外国人の代表として大役に臨む。「存在感を示す走りで、外国人が活躍できるきっかけをつくりたい」。

「外国人が活躍できるきっかけに」と言うベトナム出身の松浦さん=徳島市の徳島大

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