原発事故で避難体験、中2少女が聖火ランナーに かつての避難先に「元気な姿伝えたい」

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東京五輪聖火ランナーに選ばれた山田さん。京都への感謝を伝えたいという(京都市下京区)

 東京電力福島第1原発事故の影響で、京都府宇治市へ2年半、避難していた福島県郡山市の中学2年生山田ひよりさん(13)が東京五輪聖火ランナーに選ばれた。28日に同県内を走る予定で、「温かく迎えてくれた京都の人たちに、元気な姿を見せたい」。感謝の気持ちを胸に、聖火をつなぐ。

 2011年の東日本大震災時は4歳。自宅付近にも放射性物質が飛散していたことを知り、5歳の夏、母陽子さん(42)と、3歳下の妹と共に宇治市へ避難した。翌年、南小倉小に入学し、2年生まで過ごした。
 聖火ランナーは昨年6月、スポンサーに応募。審査対象となる作文に避難体験を記した。京都で知り合った母の同僚女性にタップダンスを教わったこと、小学校の友人のおかげで積極的になれたこと。感謝の思いを文面に込めた。当選の連絡は昨年12月、母のスマートフォンに届いた。「うれしくて、信じられなくて…。号泣しました」
 山田さんは今も地元チームでタップを続ける。「今思うと、避難しなければ、タップにも、友人にも出会うことはなかった。京都には良い思い出しかない」と振り返る。ただ自宅の庭には除染された土が埋められ、シートがかぶせられている。震災が終わっていないことを実感する時がある。
 聖火ランナーは26日、「復興五輪」の象徴として福島県からスタートし、山田さんは3日目に南会津町で走る。「自分には遠く離れた京都から応援してくれる人がいる。自信を持って走りたい」と力強く語った。