白熱のマンチェスターダービー。考えなければならない3つのこと

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著者:秕タクヲ

白熱した。本当に白熱した。
これこそフットボールなのだと改めて気付かされた。

プレミアリーグ第29節、オールド・トラフォードで開催されたマンチェスターダービー。試合は前半30分のアントニー・マルシャルのゴール、後半アディショナルタイムのスコット・マクトミネイのゴールでマンチェスター・ユナイテッドが2−0でマンチェスター・シティを退け、10シーズンぶりとなるシーズンダブルを記録した。

エデルソン・モラレスの珍しいミスや微妙なオフサイド判定など語るべき点は少なくなかった90分だったが、この試合においてマンチェスター勢の新境地が伺えたように私は考える。

ここからは白熱のマンチェスターダービーを終えて見えてきたものを3点ご紹介したい。


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新参者がユナイテッドの新たな時代を作る

ブルーノ・フェルナンデス。

加入してまだ数ヶ月で物事を語るのは時期尚早だが、ユナイテッドに新たな時代が切り開こうという気概を彼から感じ取ることができた。彼がユナイテッドに加わりこれまで停滞モードだったユナイテッドが瞬く間に上昇気流に転じた。決定力は申し分ないプレイヤーは勢揃いだが、チャンスメイクに長けた能力を持ち合わせていなかったユナイテッド。しかし、ブルーノ・フェルナンデスが2列目に君臨し攻撃が思うままに展開するようになった。

先制点となったアントニー・マルシャルへのアシストもこれまでのユナイテッドにはないアレンジでありスタンドを驚かせた。またプレミアリーグに求められるハードワークもお手の物で、カウンターの決定機ではしっかりゴール前のいい位置まで走り込んでいた。もしダニエル・ジェームズが自ら打たずに中央へ切り替えしていれば確実にブルーノ・フェルナンデスはゴールを決めていただろう。


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ワーストシーズン、グアルディオラ

ジョゼップ・グアルディオラが監督としてキャリアを始めて幾年、まさかここでキャリアワーストの記録を打ち出すことになるとは本人も予期していなかっただろう。彼が指導者として歩んできたキャリアの中で、最も戦力が揃った万全のコンディションにもかかわらず、彼自身未だかつて経験しなかった「リーグ戦7敗目」を喫してしまった。奇しくもその7敗目が宿敵ユナイテッドからの敗戦なだけに、その意味を深く大きく考えさせられてしまう。

アイメリク・ラポルテの不在を嘆くか、ミケル・アルテタとの別れを引きずったか、UEFAからのチャンピオンズリーグ締め出しの通達に惑わされたか。完璧を追求するグアルディオラにとって今シーズンは綻びが多く、記憶から消し去りたいシーズンになっていることだろう。

リバプールは残り6ポイントでプレミアリーグ優勝。シーズンのハイライトをいい方向に彩るべく、リーグ戦のことは忘れチャンピオンズリーグ制覇、FAカップの制覇、そしてホームで迎えるリバプール戦の勝利。是が非でもこだわっていきたいところだ。


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ポグバの居場所はあるのだろうか

不死鳥のごとく蘇った赤い悪魔のこれからが楽しみであるのと同時に、かつて赤い悪魔の復活を託されマンチェスターに帰還したポール・ポグバが今後どうなるのかにも注目が集まる。

昨シーズンは器用さと献身的なプレーが功を奏し、ポグバは攻撃の原動力として君臨した。13ゴール9アシストという大健闘の成績から一転、今シーズンは度重なる怪我と向き合い続けておりチームに貢献できていない。またユベントス時代のようなカリスマ性やアクロバティックなプレーを期待するのは到底不可能であり、鳴りを潜める現状に黙っていられないファンも少なくないはずだ。

そんな中、ブルーノ・フェルナンデスがチームの起爆剤と化し、ポグバと同ポジションであるスコット・マクトミネイやフレッジが徐々に頭角を表し始めている。ポグバの居場所は徐々に狭まっているということを我々は認識しなければならない。ポグバ本人そしてユナイテッドにとっても、チーム構想に加えるべきか、それとも退団を迫り売却を急ぐか。非常に重要な決断の時が近づいているのかもしれない。