農水省「国の主張が認められた」 諫干即時開門訴訟

 国営諫早湾干拓事業を巡る訴訟で、長崎地裁が潮受け堤防排水門の即時開門を認めない判断をしたことに、農林水産省は「国の主張が受け入れられた」と評価した。
 同省で干拓問題を担当する北林英一郎農地資源課長らが取材に応じ、堤防閉め切りと漁業被害の因果関係を認めなかった判決に安堵の表情を見せた。ただ係争中の関連訴訟や、開門派漁業者らとの話し合いに話が及ぶと「一つ一つに主張を尽くしていく」「和解を探りたい」と慎重な言葉を繰り返し、勝訴への喜びは表さなかった。
 問題解決に向けては、開門せず有明海再生に向けた基金で全体の解決を目指す従来の方針で進めたい考えをあらためて強調した。

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