【新型コロナ】臨時休校で子どもの1人留守番・外出… 安全守ろう「施錠徹底、逃げ場確認を」

公園で遊ぶ子どもたち(本文とは関係ありません)

 新型コロナウイルスの感染防止策として、小中高校での休校措置が続いている。親が仕事を休めない家庭では、幼い子どもだけで留守番や外出をせざるを得ない状況も生じる。子どもが安全に過ごすために留意すべきポイントは何か。子どもや保護者の視点で、実践しやすい防犯の心得を提言している安全インストラクターの武田信彦さん(42)に聞いた。

■訪問や電話

 鍵を掛ける習慣を意識付けることが何より重要。玄関はもちろん、窓などの施錠も徹底すること。子どもだけで出入りする際は、施錠を忘れやすいので、玄関に「鍵を掛ける」などとメモを貼って徹底する。

 予定にない人物の訪問や、家にかかってきた電話には対応しないこと。配達などは親がいる時間帯に指定したり、留守番電話機能を設定したりする準備を怠りなく。親との連絡は、悪質なサイトへの接続を制限するフィルタリング機能を施すなどした携帯電話で取り合うのが効果的だ。

 危険な事態を想定し、警察への110番、消防への119番などの通報先や、現住所などを、子どもの目につく場所に貼っておくと、対処しやすい。

■防犯ブザー

 必ず家の施錠をし、連絡手段である携帯電話を持ち忘れないよう徹底すること。防犯ブザーは危険を周囲に伝えたり、相手をひるませて子どもが逃げるすきを見いだしたりするために重要な道具。休校期間はランドセルから、外出用かばんに付け替えるなどして携帯する習慣を。

 感染防止のため、マスクをして、素顔が見えにくくても不自然でない状況だ。近づいてきたり、後を付いてきたりする人に不安を感じたら、子どもの判断で「逃げる」意識付けを徹底すること。

 「逃げる」とは「助けてくれる人がいる所まで急ぐこと」。子どもの行動範囲で、逃げ込める場所を確認し、伝えておくことが重要。逃げ込める場所を複数、確保するために、近くに住む保護者同士で、場所を教え合うなど、協力し合うことで安心感は高まる。

◆◆◆

 子どもの安全対策の基本は「子どもだけの状態にならないこと」と強調する武田さん。終息が見通せない事態だからこそ、地域全体で子どもの安全を守る意識が大切と説く。「買い物、犬の散歩、花の水やりなど日常生活の中でも、無理なく子どもの見守りはできる。大人が見守っている環境を示すことが犯罪を遠ざける」と訴える。

 ◆たけだ・のぶひこ 1977年5月ドイツ生まれ。慶大在学中から犯罪防止活動に参加。2006年から市民防犯をテーマに、安全インストラクターとして活動。市民目線で安全を伝えるプロジェクト「うさぎママのパトロール教室」を主宰し、全国で講演やワークショップを行っている。

© 株式会社神奈川新聞社