ロッテ入り鳥谷の一問一答、古巣の阪神へ恩返し誓う「甲子園でプレーする姿を」

井口資仁監督らに挨拶をするために本拠地ZOZOマリンスタジアムを訪れた鳥谷敬【写真:宮脇広久】

“旧知の間柄”井口監督の胴上げ誓う「井口監督を胴上げできたら最高」

 ロッテ入りが決まった前阪神の鳥谷敬内野手が11日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで井口資仁監督、ナインらに挨拶。その後、報道陣の取材に応じた。主な一問一答は次の通り。

──入団が決まった気持ちは。

「また野球ができるということで、感謝していますし、楽しみにしています」

──井口監督からはどんな言葉をかけられたか。

「『一緒に戦いましょう』と。あとは『しっかり2軍の方で調整してきてくれ』と」

──鳥谷選手からは。

「『力になれるようにやります』と」

──ロッテの印象は。

「若い選手が多く、勢いがある。その中で自分が違った形で力になれたらと思います」

──所属先が決まらなかった時期の調整は。

「自分にできることは、決まった時にしっかり体を動かせること。それだけを考えて準備していました」

──現在の調整具合は。

「野球に関して打つ、投げるはやってきました。当然ピッチャーの球を見たり打ったりはできなかったが、それ以外はしっかりやってきました」

──阪神に16年間所属し、初めて新天地でプレーする。

「チームが変われば、環境も変わる。まだ自分ではわからないが、野球選手としてやれることは決まっているので、自分ができることをやっていきたい」

38歳での新天地「あと何年できるか分からない。自分が納得した形で野球人生を終えられるように」

──38歳のベテランとなってからの移籍となった。

「当然あと何年できるか分からないですし、先が長いというわけではない。しっかり自分が納得した形で野球人生を終えられるように現役続行という選択をしたので、そういうものを見つけられたらと思います」

──ポジションについてはどう考えているか。井口監督から内野全ポジションを守ることも期待されている。

「当然野球をやる以上は、レギュラーを狙っていく。ポジションは現状、空いているところに入っていってチャンスをつかむ方法しかない。どのポジションでもできるように、しっかり練習したい」

──背番号は「00」に決まった。

「特に背番号にこだわりはない。何番でもよかった。(阪神では)1番でやってきたが、(ロッテから)『0からのスタート』というお話をいただいたので、新たな気持ちで00という番号を付けていきたいと思います」

──ロッテファンへのメッセージを。

「ロッテファンの方の熱い声援は、相手チームながら感じていた。喜んでもらえるようなプレーができたらなと思います」

──ロッテからは若手の手本としても期待されている。具体的にどういう姿を見せたいか

「自分自身は常に準備ということを大事にしている。そういう姿を見せられたらと思います。プロである以上は試合の結果が重要になるが、その結果を出すためにどうしたのかということが、長くやっていくためには重要。そういうことを(言葉にして)言うのか、あるいは自分がやってみせるのかはこれからだが、そういう部分を伝えられたらと思います」

──ロッテのユニホームを着てプレーしている自分をイメージできるか。

「現時点でなかなかイメージはできない。しっかり結果を出してやっていけば、それが見る人の馴染みになる。ユニホームより、自分の準備に目標を置いてやっていきたい」

──ベテランといてチームの貢献できる部分は。

「16年やってきた経験がある。それは自分が若い時には持っていなかった部分。シーズン途中、自分たちの思うようにいかないとき、少しでも早くいい方向にいく方法は、数多く経験している」

──ロッテファンの印象は。

「マリンという球場の一体感ですね。自分の応援をしてもらえたらなと思います」

新天地決定は3月まで決まらなかった「それでもしっかりできるところを見せることが自分の使命」

──ここまで所属先が決まらなかった心境は。

「シーズンが始まるまでにどこも(受け入れ球団が)なければ引退でした。たくさんの人たちのおかげで、この瞬間まで待つという選択ができた。自分1人ではできなかった。関係した人たちに、このチャンスを生かして恩返しできたらなと思います」

──キャンプに参加していないという現実がある。新型コロナウイルスの感染拡大で公式戦開幕の時期は不透明だが、「開幕に間に合わせる」という気持ちは。

「開幕に合わせたいというより、しっかり自分の現状を確認しながらベストな状態に持っていきたい。今は(練習で)数多く打ち、数多く守っていきながら開幕を目指せたらなと思います

──オープン戦期間も終盤に入ったこの時期の入団となった不安は。

「自分がこの時期に入って、それが難しいかどうか分からないが、この時期に入って、それでもしっかりできるところを見せることが、自分の使命かなと感じる。これからそういう選手が出てきて、ここまで待って入ってもそこから活躍できることを、最初の形として自分ができたらいいと思います」

──井口監督の現役時代には一緒に自主トレを行うなど、以前から親交が深い。

「選手同士のときは、同じ内野手として勉強させてもらった。今回は監督と選手という立場なので、選手として監督の力になりたいし、胴上げできたら最高かなと思います」

──パ・リーグで対戦したい投手は。

「パ・リーグはDH制ということもあって、いいピッチャーが多い印象。そこらへんを自分がどう克服していけるか。対戦したいピッチャーとしては、ソフトバンクで1歳上の和田さんがやっていますので、対戦できたらいいなと思っています」

──古巣の阪神のファン、選手も移籍先決定を喜んでいる。

「昨年1年間、本当に阪神ファン、阪神の選手にたくさん勇気づけられた。今年交流戦が行われる甲子園で、プレーする姿を見せることが恩返しかなと思います」

──若手の手本となる上で、聞きに来てもらいたいか、それとも自分の方から語り掛けたいか。

「聞きたいと思う人がいればどんどん言いたいが、チームの雰囲気、個々の考え方がある。状況によって必要なことを選択したい。言った方がいいなという場面は言いますし、そううものが欲しい人には話します」

──ZOZOマリンスタジアムでプレーすることについて。

「当然、風が強いのは感じる。打席では風によって(投手の投げる球に)変化の違いがある。守備に関しては、ホームグランドが人工芝になるので、プレーというより疲労感がどうかということを確認しながらやっていきたい」(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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