汚職で全部やめるのは違う IR誘致で和歌山県知事

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 和歌山県の仁坂吉伸知事は10日の県議会予算特別委員会で、「カジノを含む統合型リゾート施設」(IR)誘致を巡る汚職事件を受け、県の誘致をストップすべきだという指摘に対し「汚職があったから全部やめるのは間違った考え方」との認識をあらためて示した。

 奥村規子議員(共産、和歌山市)が、日本でのIR参入を目指す中国企業が国会議員に賄賂を贈ったとされる事件に触れ「影響が検証されるまで、(IR誘致は)いったん立ち止まるべきではないか」と聞いた。

 仁坂知事は「(今回のIR汚職事件は)取るに足らない業者がしでかしたことだ」と述べ「引き続き説明会を通じて、誘致の必要性や課題への対応策を県民に丁寧に説明し、理解を頂きながら、取り組みを着実に進める」と答えた。

 また、奥村議員は「(IRに含まれる)巨大な国際会議場や展示場などの運営のため、カジノは高収益を上げることが必要になり、依存症を必ず伴うものと断言する。県の依存症対策とカジノ誘致は矛盾する政策ではないか」と質問した。

 仁坂知事は、依存症対策として「国が重層的で多段階的な厳しい規制を設けている」としたほか、県でも独自に、利用の上限額を設定するカードの導入をIR事業者に求めるなどの施策を講じることを説明。「論理的にはギャンブル依存症は排除できると考えている」と答えた。

 さらに、IR誘致は地域の衰退を抑えるために必要だとして「起死回生の大型投資はこれしかない。せっかくのチャンスを見逃すいわれはない。3千億円の経済波及効果がある他の代替手段はあるか。全体として考えていただきたい」と強調した。