休校措置はアリ?内閣支持率は? 緊急意識調査の結果をお伝えします!

新型コロナウイルス対策として、政府が全国の小中学校へ一斉休校を要請し、3月1日から全国の小中学校のほとんどが一斉休校となりました。急に長期休校となり、当事者である子どもたちや現場の先生が大混乱、動揺したのはもちろん、その保護者たちの仕事や生活にも影響が大きく出ています。

選挙ドットコムちゃんねるは、この新型コロナウイルス対策について政治という切り口から大分析。
実際のところ、有権者は安倍内閣のコロナ対策をどのように評価している? 内閣の支持率の変化は? 今後、政府が最も力を入れるべき対策は? 果たして、内閣支持率は下がったのでしょうか?

番組の内容をダイジェストでお送りしていきましょう。

会見直後の週末に、緊急電話調査を決行!

乙武 「さあ、今回も始まりました選挙ドットコムちゃんねる。松田さん、千葉ちゃんよろしくお願いします。さっそく行きましょう、今回のテーマは、『一斉休校への賛否は? 内閣支持率はどうなった? 緊急電話意識調査』ということですが」

松田 「安倍総理が一斉臨時休校について説明会見を行った2月29日当日と翌日の3月1日の週末に、選挙ドットコムではJX通信社と共同で緊急の電話意識調査を行いました」

乙武 「これは毎月行っている調査のタイミングじゃない、また別の緊急調査ってことですよね」

松田 「そうです。ちょっと緊急すぎて、ネットの方のリサーチが間に合わなくて、電話のみということになったんですが」

千葉 「先月28日に、政府が全国の小中学生に臨時の休校要請を出して、これが支持率にも反映しているのではないか、突然の要請によって支持率がどう変化したかというところを、JX通信社協力のもと、電話世論調査で行ったということです。その結果が、こちら」

 

 

乙武 「まずは気になる内閣支持率だね。あれ? あんまり変わってないな」

松田 「うーん、横ばいですね、誤差の範囲」

乙武 「若干、支持は減っているけど、まあほぼ誤差の範囲。僕の思い込みではね、大きく下がったのかなって思ってました」

松田 「そうですね。Twitterなんか見ていると激下がりのイメージ」

乙武 「実際、変化があったんじゃないかと読んで緊急調査やったんだよね?」

松田 「ええ、JX通信社の米重さんからご提案をいただいたいて、選挙ドットコム内でもこうした一斉休校という大きなアクションが内閣の支持率変動に大きく影響するんじゃないか、上がるか下がるかはわからないけど、なんらかの変動はあるんじゃないかと想定して、調査してみたんですけど、ほぼ横ばいという結果」

乙武 「なるほどー。でもこれ、ひょっとしたら内閣を支持している人と支持してない人の比率はそんなに変わってないけど、もしかして人は動いているのかもしれないですよね。

つまり、先月は内閣支持してたけど今回の一斉休校の要請を受けて不支持に回った人もいれば、もともと不支持だったけど一斉休校を受けて『果断な政治決断、素晴らしい』と支持に回った人もいて、結果、トントンになった可能性もなくはない」

松田 「確かにそういう可能性はありますね」

内閣支持率は変化がないのに、新型ウイルス対策については大いに不満あり

千葉 「続きまして、政権の対応についての評価です」

乙武 「あれ、これなに?『評価しない』が過半数だ」

松田 「50%以上ですね。明確に評価しないの方が上回っていますし『全く評価しない』と強く否定されている方も約30%ですね」

乙武 「ほんとだ」

松田 「高く評価するは約1割と、政権のコロナウイルスへの対応全般に関しては、評価しないという声が全体としては強いのかな、と」

乙武 「これはどう読み解いたらいいのかな。コロナの対応はあまり納得できていない・評価できないけども、依然として今の政府を支持はするよっていう意思表示になるんですかね?」

松田 「内閣支持率や政党支持率に関しては、やっぱり政策が評価できなくて支持できないとなっても、そのまま野党に任せるかといえば信頼できる受け皿になってくれる野党がないということで、なかなか現政権を切り捨てて移動しにくいところもあるんじゃないですかね。

自民党にもろもろの不正や問題が出て、本当は政権交代が必要だと思っても『だからといって、ほかに政権を担える野党がいない』とはずっと言われているところですが、今回も有権者の野党への不信感というのが少し影響しているのかな、と思います」

一斉休校措置への評価は、ネットの反応とは真逆?

千葉 「では一斉休校の措置についてですね、支持するかどうかを伺いました」

乙武 「えっ、これは意外!」

松田 「これですよね、これがね~」

千葉 「支持率、多いですねえ」

乙武 「さっきのコロナ問題全般への政策に対してと、逆くらいの数字になってますね。コロナ対策全般については不支持が過半数だったのに、一斉休校の措置は逆に支持が過半数を超えている」

松田 「そうなんです。これは聞き方にもあると思うんですけど『休校措置を出したことに対しては支持するか、支持しないか』と質問していまして『休校措置を評価するかしないか』とはちょっとニュアンスが変わっているんです。それでも支持するが過半数を超えていて、不支持を明確に上回っていると」

乙武 「これ正直、ちょっと意外っていうか……。Twitterなんかのネット上の反応をみているとね、評価しない人が多いのかなあという印象だったんですが、電話調査だからやっぱり高齢者が支持しているってことなんですかねえ?」

千葉 「やはり年代も関係ありそうだな、ってことでこのグラフをご覧ください」

乙武 「あれ、年代別によって評価が分かれるのかと思ったらそうでもないんだ」

松田 「これはですね、今回電話だけでの意識調査になりますので、30代以下に関してはトータルで全体の6.5%くらいしかありません。なので、10代(18・19歳)、20代、30代は、あくまで参考値ですね。サンプル数が全部でも100件行ってないのでね」

乙武 「なるほど」

松田 「40代からを見ていただきたいんですが、サンプル数としてはそれぞれの年代(40~70代)が約20%ずつで、80歳以上は6.7%ということで80代の回答はそんなに多くありません。これを詳細に見ていくと、40代、50代、60代に比べて70代は『評価する』の比率が低い」

乙武 「ほんとだ。それほど年代別には差がないけど、70代だけ低いね」

松田 「実は70代に関しては、毎回の調査でも内閣支持率がすごく低いんですよね。いわゆる『団塊の世代』の多い層なので。今回の結果も、そもそもの内閣支持の低さと、多少連動しているのかなと。

逆に80代は内閣支持率がいつも高いので、今回も連動して少し高めの数字が出ても不思議じゃないんですが、まあ、基本的にはあまり年代では差はなかったなという感じです」

千葉 「でもけっこう私のTwitter周りだと、リモートワークすることになったものの、休校で家にいる小学生のお子さんがしょっちゅう話しかけてきて、なかなか仕事ができない、みたいな感じのtweetがたくさん拡散されているんですけど」

松田 「ここが調査とか分析の難しいところなんですけど、こういう数字が出たひとつの理由としてはね、対外的な調査に対して日本人は『いい子ちゃんの回答』をしがちってところがあります。三浦瑠麗さんも、以前、乙武さんと対談されたときにおっしゃっていたと思いますが。

一斉休校措置は、子どもたちを守るためなんだと言われたときにですね、多くの世の中の人は表立って反対しづらいんです。自分は多少不利益だったり、面倒くさかったりするけど、それで子どもの感染が防げるんだったら『いいこと』なんだから、支持しますよと、対外的には答えちゃう。だから子育て中かどうかによる分類でも、こんな結果になるんですね」

 

乙武 「なるほど、子育て中の方も、子育てしていない方も、そこまで差はないですね」

松田 「そうなんです。子育てしていると回答された方が全体の約20%、していないと回答された方が77%で、答えたくないという回答が3%ちょっと。子育てしていると答えた約20%で見ても、賛成が50%と支持している方が多くて、ある程度は仕方がないというか、社会のためにも理解しようという意識が強いのではないかと思います。

この『自分が多少の不利益を被っても、世の中のためなら仕方ない』と回答してしまう『いい子ちゃんの回答をする意識』がですね、たぶんコロナウイルス対策全体に対しては評価しないと思うものの、こと一斉休校措置に関しては支持するという、ねじれた評価が起こっている理由なのかな、と思います」

乙武 「たしかに『子どもたちの感染を防ぐためなんだから!』って言われちゃうと『休み中の子どものお昼ごはんが~』とか『家で仕事してると子どもが話しかけてくるから集中できない』みたいな自己都合的なことを理由にして表立って反対はしづらいですよね。叩かれちゃうし。だからよけい、匿名のTwitterやネットに不満がいっぱい集まるのかな」

今後は、水際対策より医療体制の充実

千葉 「では続きまして、新型コロナウイルス対策で、政府に求めること別のグラフです」

松田 「これは『今後どういった対策を政府に求めますかという質問なんですが、いわゆる水際対策が3番目。感染者が来るから入国制限をって考える方は、当初よりずいぶん減りまして、検査の拡大というところを求める声が非常に強くなってきていますし、さらにはもうある程度感染が広まっていますから、感染後の医療体制をしっかりやってほしいという現実的なこの2つが突出して多くて、全体の約6割の方が望んでいると。

とくにこの検査云々とか、今国会でも議論されていますから、今後は拡大されていくんじゃないかと思います」

乙武 「保険が適用されるかどうかってところも含めてね」

松田 「当然、検査件数が増えれば、感染者の数というのも増えていくでしょうし、医療体制がしっかりすれば、感染したけれども回復した方というのも増えていきます。それに感染した人のみんながみんな、重症化して命を失うような病気ではないということですので、冷静に対応できるようになればいいなあと思います」

最も評価が低かったのは「情報発信」

千葉 「そして政府の情報発信への評価がこちらです」

乙武 「情報発信に関しては『十分ではない』という評価がかなり強く出ていますね」

松田 「政府の対応については、検査が少ないなど軒並み評価が低い中でも、情報発信についてが、一番評価が低い項目になっていますね。6割近い方が十分ではないという回答をされている。

先週、安倍総理が会見をされて、リーダーシップを発揮して自分が引っ張っていくというメッセージを出されていましたけど、なかなか評価されていないのかなと思います」

乙武 「この調査は、けっこう意外なことばっかりでしたね。一斉休校の要請は、もっと評価する人が少ないイメージだったし、全体の対策への評価がこれだけ低いんだから内閣支持率も下がるのかなっていうイメージが、SNS上の感覚では強かったんだけど」

千葉 「ですよね。SNS上ではものすごく批判が多いですよね」

松田 「最初に一斉休校の措置を発表した時、マスコミでもかなり批判的な報道が多かったですし、それに伴って予想される様々な混乱や課題についてのフォローやメッセージがなにもなくて、いきなり一斉休校が実施となったので、当然それに関してはSNSを中心に、多くの批判がありましたよね。

まぁ、そういう批判があったからこそ、政府もいろんなケアについての政策を、遅ればせながら出してきていますんで、SNSで声が上がったというのは、結果的には良かったのかなと思います。

また、来週、再来週あたりに、一斉休校措置をした結果、社会にどんな混乱が起きたか、感染がどう拡大したのか、これでウイルス感染の広がりは収束するのか、そういった部分を、今は冷静に評価している様子見の時期ではないかという感じもしますね。

措置が発表された直後の先週末で、大きく内閣支持率などが動く可能性があるんじゃないかと、私も米重さんと同じように考えたんですけど、しばらくの間は様子見のターンに入って、今後、感染が収束に向かえばまた内閣支持率は回復するでしょうし、逆に一向に収束しないとか一斉休校による深刻な問題などが表面化すれば、支持率は下がってくるのではと。

今、コロナのパニックがまさに世界に広がっている状態で、株価が下がっていくというようなことになれば、好調な株価によって安倍内閣の支持率は下支えされてきた経緯もありますから、株価下落に連動して内閣支持率も大きく下がるような可能性も出てくるのではないかと思います」

乙武 「あの会見では、10日間をめどに休業補償についても検討するという風におっしゃっていたので、それが具体的にどんな策になってくるかということも、けっこう影響を及ぼすかもしれないですよね」

松田 「そうですね。そういったところを丁寧に、与野党協力して取り組んでほしいなと思います」

千葉 「それでは最後に最新の政党支持率を見ておきましょう」

乙武 「やっぱり前回とほとんど変わってない。変動があっても誤差の範囲って感じですかね」

松田 「そうですね。やはり前回の調査からまあ2週間しか経っていないというのもありますし、内閣支持率がほぼ横ばいだったこととも共通すると思いますが、政党支持率についても大きな動きは特にありませんでした」

乙武 「逆にね、野党はもうちょっと支持を伸ばすチャンスなんじゃないかなという気もするんですけどね」

松田 「政権の策がこれだけ有権者に評価されていない現状があっても、なかなか野党の支持にはつながっていない感じですよね」

乙武 「はい、今回はここまでとなります。チャンネル登録と高評価、よろしくお願いします」

 

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