アジのジャムいかが 規格外を活用、商品化へ 平戸・野子地区まちづくり運営協議会

野子地区まちづくり運営協議会が特産品として開発を進めるアジを使ったジャム=平戸市野子町

 平戸市の野子地区まちづくり運営協議会が、地元で水揚げされるアジを原料にしたジャムの開発に取り組んでいる。ペースト状にした肉をパンに塗って味わうフランス料理「リエット」をヒントに改良を重ねており、野子の特産品として年内の商品化を目指す。
 市最南端に位置し漁業が盛んな同地区。定置網にかかる体長30~40センチのアジは1キロ当たり700円程度で取引されるが、12センチほどの中アジは半値以下。漁師で同会地域づくり部会長の宮田利光さん(57)が、規格外の魚を有効活用し活性化につなげようと提案した。
 同会の小山真由美事務局長(45)らを中心に昨年2月から試作を続けてきた。三枚におろしたアジとタマネギなどをオリーブオイルで炒め混ぜ合わせたが、甘みと塩加減のバランスに苦戦。地元の加工業者を交えた今年2月の試作会では、タマネギやワインの量を増やすなどしたところ「塩加減も良く、味もまろやかでおいしい」と好評だった。
 その後、市立野子小・中の児童生徒らが対象の試食会も実施。「臭みがなくパスタに合いそう」「魚が苦手だけどおいしかった」などと声が上がり、チーズやマヨネーズと一緒に味わう参加者の姿もみられた。
 同会の山口直人会長(73)は「今後、ジャムにふさわしい色を検討しながら、長期保存の方法や販路も探りたい」とする。

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