昨季ファーム最多勝、DeNAの新星は「魅力的なピッチング」 元捕手が期待する右腕とは

DeNA・上茶谷大河【写真:荒川祐史】

昨季防御率リーグ5位に沈むも野口氏は「戦力的には十分」と太鼓判

 19年はリーグ2位で球団史上初となる本拠地でのクライマックスシリーズ(CS)を戦ったDeNA。今季の優勝を目指すチームの課題として、MLBレイズへ移籍した筒香嘉智外野手の穴をどのように埋めるのかに注目が行きがちだが、投手陣の向上も必須条件だ。昨季はチームで2桁勝利を挙げたのは今永昇太投手のみ。チーム防御率も3.93とリーグ5位に沈み、結果だけ見れば不安に思える。特に大きな補強をしていないが今季の投手陣はどのような陣容になるのだろうか。

「戦力的には十分ですよ」と先発陣の充実ぶりを絶賛したのは現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、17年から2年間ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏だ。

 しかし、一方で「心配なのが上茶谷(大河投手)」とルーキーイヤーの昨季に25登板し7勝(6敗)と先発ローテを守った右腕の投球について「去年は知らない間に配球の割合が変化球ばかりになってしまっていた」と不安視。今季へ向けて投球フォームの微調整に取り組む姿に「それがしっくりきて結果で現れるようになれば上茶谷ぐらいであればやってくれなきゃいけないピッチャーですからね」と2年目に挑む右腕の飛躍への期待を口にした。

昨季支配下昇格の右腕を絶賛「三振奪取能力があるので、1軍に上がったら面白い」

「今永、浜口(遥大投手)、上茶谷、ドラ2の坂本(裕哉投手)が良いですね。それに石田(健大投手)がいて、5枚になった。本当はここに右ピッチャーが入ってきてくれると良いのですが」。ドラフト2位の大卒ルーキー左腕・坂本のローテーション入りの可能性を口にした上で、「期待をしたい若手はいっぱいいる。京山(将弥投手)とか阪口(皓亮投手)とか。その中で1番注目したいのは中川虎大ですね」と昨年7月に支配下へ昇格した20歳の名前を挙げた。

 野口氏は昨季イースタン・リーグで11勝を挙げ最多勝に輝いた右腕について「球が強い。カットボールも良いものを投げますし、三振奪取能力があるので、1軍に上がったら面白いのかなと思いますね」と長所を挙げ、「中川虎あたりが出てくると面白いかなぁと。魅力的なピッチングをしています」と活躍に太鼓判を押している。

 左腕王国のDeNAローテに必要不可欠な右腕の存在。上茶谷、中川虎という若き右腕が先発陣にアクセントを加えることができるのか。DeNAの躍進の鍵の1つになりそうだ。(Full-Count編集部)

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