努力では補えないセンスの持ち主・サッカーの天才と呼ばれた小野伸二

中村俊輔やラモス瑠偉、遠藤保仁といった日本代表の主力として活躍してきた選手たちが、こぞってサッカーの天才と迷わず評価するのが小野伸二。

小野伸二は6人兄弟の5番目として誕生し、貧しい母子家庭の中で、ジュニア時代は少年サッカーチームには所属せず、1人でサッカーをしていました。その姿を見た地元少年団のコーチから勧誘を受ける形で入部し、サッカー人生の幕を開けました。小野伸二はそのころからすでに「天才」と呼ばれ、13歳になった1993年にU-16日本代表に初選出され、それ以降、各年代の日本代表チームの中心選手として活躍することになります。

もちろんそれなりに努力もしてきた小野伸二ですが、努力では補えない素晴らしいセンスが小野伸二には備わっていました。

そんな小野伸二のセンスの良さは、柔らかなボールさばきにあります。どんなに速いパスにも柔らかいボールタッチで正確に次のプレーに入りやすくトラップし、流れるようなリズムで前を見ることができます。そこには繊細で美しいボールタッチが関連していました。

また、小野伸二がサッカーの天才と呼ばれる所以に、創造性あふれるプレーがあげられます。パスを受けてドリブルで仕掛けると思いきや絶妙なワンツーを決めたり、ダイレクトでスルーパスを出したりと、誰も予測できないようなプレーを次々と展開する姿は、いつしか試合だけではなく、観衆をもコントロールしていました。

Jリーグでプレーしていたころの小野伸二に対しては、遠藤保仁や中村俊輔からも、そのセンスの素晴らしさに白旗をあげるしかないとあきらめのコメントをさせるほどの実力を誇りました。

さらに、小野伸二は2001年に浦和レッズからオランダのフェイエノールトに移籍しますが、そこでも小野伸二は相変わらずのスーパープレーを見せつけ、オランダ代表のエースストラーカーとして活躍していたファンベルシーに「オランダ代表には小野伸二以上にうまい選手はいなかった」と語らせるほどの実力を見せつけました。

攻撃的ミッドフィルダー、センターハーフ、サイドハーフ、ボランチと中盤ならどこでも類まれなサッカーセンスでこなすことができ、柔らかいボールタッチでボールを操り、観客をワクワクさせるように魅了するプレーはファンタジスタに値する存在でした。

日本やオランダで共にプレーした全ての選手たちが口をそろえて天才と呼び、化け物とも呼ばれた小野伸二。他にも天才と呼ばれた選手はいましたが、どれも小野伸二にはかなわない、彼こそが本物の天才として認められたサッカー選手です。

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