各国で閉鎖や延期、休校が相次ぐ 新型ウイルス対策

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学校が閉鎖され、スポーツ大会は中止、文化施設も閉館――。新型コロナウイルスの大流行を押さえ込もうと、世界各国が対策を進めている。

アメリカではすべての主要スポーツのレギュラーシーズンが中断となった。また、劇場が集まるニューヨーク・ブロードウェイでの公演も1カ月延期された。

フランスはヨーロッパの他の国々と同様、全ての学校を休校にした。大学と保育園も含まれる。

エマニュエル・マクロン大統領は新型ウイルスの大流行について、フランスにおける今世紀最大の健康危機だと述べた。

世界保健機関(WHO)によると、新型ウイルスの感染症COVID-19の患者は118カ国で計12万5000人を超えた。死者は4600人以上に達している。

世界の株式市場も再び急落した。米ニューヨーク株式市場では下落率が10%近くになり、1987年の世界的な株価暴落「ブラック・マンデー」以降で最大の値下がりを記録。英ロンドン株式市場のFTSE100種総合株価指数も同様に下落した。

文化面にも影響

世界有数の美術館やギャラリーも相次いで閉館している。

オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館と国立美術館は3月いっぱいの閉館を決定。

アメリカでは、世界最大級の美術館、メトロポリタン美術館がニューヨーク市内3カ所にある施設を全て一時閉鎖すると発表した。スミソニアン博物館も、首都ワシントンとニューヨーク市の全施設を14日から閉鎖する。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、500人以上の集会を禁止。これを受け、ブロードウェイでの全ての公演が1カ月間中断となった。


米カリフォルニア州とフランス・パリのディズニーランドも14日以降の閉鎖を発表。

映画界では、「ワイルド・スピード」(原題:Fast & Furious)シリーズの最新作の公開が11カ月延期された。この他にも公開延期となった作品は多数ある。米トライベッカ映画祭は開催延期が発表された。

中東のカタールは12日、全ての映画館と劇場、運動施設、遊び場、美術館・博物館の閉鎖を発表した。

スポーツは中断

アメリカでは、人気プロスポーツのアイスホッケー、バスケットボール、野球の各運営団体がレギュラーシーズンの中断を決定。テニスのATPツアーは、「選手やスタッフ、テニス関係者、一般社会の健康と安全を守るため」として6週間の試合停止を発表した。

自動車レースのフォーミュラワン(F1)は、今週末にオーストラリアで予定されていた今季開幕戦が中止となった。

ネパール政府は、発行済みのエベレスト入山許可を取り消した。中国は同国側からの入山を禁止しており、これにならった格好だ。

オーストリア西部チロル州のスキー場は15日から閉鎖する。地元当局が12日に明らかにした

ヨーロッパのサッカーリーグも延期や中断が続出している。チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ対レアル・マドリード戦は延期が決定。フランスの国内試合は当面中断となった。

首都「封鎖」も

スペインでは12日、北東部カタルーニャ地方の4つの自治体が封鎖された。同国での封鎖は初めてで、約7万人に影響が及ぶ。同国の新型ウイルスでの死者は、前日から37人増えて84人に上っている。

イタリア政府は、食料品店と薬局を除くほぼ全ての商店の全面閉店を指示した。同国の新型ウイルスによる死者は1000人を超えているが、ルイジ・ディ・マイオ外相は、国内で最初に流行が確認された地域で実施した対策が効果を見せているとしている。

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、首都マニラを「封鎖」するとして、同市を出入りする国内の移動を禁止した。

新型ウイルスに感染した恐れがあるとして、自主隔離をしていると明らかにする要人も多い。カナダのジャスティン・トルドー首相と妻ソフィー氏もそうだ。

広がる休校

アイルランド、スペイン、フランス、フィリピン、ポルトガル、ボリビアなどの国々が12日、学校の休校措置を発表した。

イギリスでも政府が学校の休校を検討している。ただ、現段階では「利益より害が大きい」とする科学的な助言を得ているとしている。

それでも、学校による海外旅行は禁止している。また、せきや高熱の症状がある人は7日間の自主隔離をするよう呼びかけている。

ボリス・ジョンソン英首相は、「過去何十年間における最悪の公衆衛生の危機だ」とし、多くの人にとって「愛する家族が早死にする」ことになるだろうと危機感を表明した。

(英語記事 Countries enforce mass closures to stem virus