日本時間3月13日、メジャーリーグ機構は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オープン戦の残り試合を全てキャンセルし、日本時間3月27日に予定されていたレギュラーシーズンの開幕を少なくとも2週間延期することを発表した。この決定は、全30球団との電話会議とメジャーリーグ選手会との協議を経て、発表されるに至った。
メジャーリーグ機構は今回の決定が選手や球団関係者、ファンの健康と安全を最優先に考えた結果であることを明言している。レギュラーシーズンのスケジュールについては、短縮シーズンの可能性も含め、様々な選択肢を準備していると見られるが、新型コロナウイルスの今後の動向を見ながら、適切なタイミングで判断を下すとしている。臨機応変に対応しつつも、できるだけ早く予定通りのスケジュールに戻すことが目標となっている。
メジャーリーグ機構は声明文のなかで「選手や関係者、ファンの健康と安全よりも重要なものはない」と述べ、専門家の意見を聞きながらベストの対策を取っていくことを明言した。プロバスケットボール(NBA)は選手に感染者が確認されたことを受け、日本時間3月12日にレギュラーシーズン中断を発表。日本時間3月13日にはプロアイスホッケー(NHL)とプロサッカー(MLS)もシーズンの中断を決めた。大学スポーツ界でもシーズンの中断やイベントの中止が相次いで発表されている。
マーリンズCEOのデレク・ジーターは「これは前例のない事態であり、選手やファンのことを最優先に考えて前例のない決断が下された」とコメント。レイズのケビン・キアマイアー外野手は「僕たちはプレイしたいけど、それと同時に、現在の状況がいかにクレイジーなものかを認識する必要がある。こんなことが起こるなんて思っていなかったけど、自分自身や家族、周りの人々のために今回の決断を受け入れなければならない」と心境を吐露した。
いくつかの球団は、キャンプ地にとどまって練習を続ける意向を示している。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、練習の様子は一般向けには公開されない可能性が高い。メジャーリーグ選手会のトニー・クラークは声明文のなかで「選手たちはフィールド上で戦うことができないことに落胆している。しかし、それと同時に健康と安全の重要性も認識している」と述べた。