ノラ・ジョーンズ、4年ぶり新作アルバム発売決定 先行シングル「アイム・アライヴ」 配信スタート

© Diane Russo

ノラ・ジョーンズが、通算7枚目となるソロ・アルバム『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』を5月8日にブルーノート・レコードより発売することが決定した。また、収録曲「アイム・アライヴ」が本日3月13日より先行配信し、プレオーダーがスタートした。

「アルバムを作る」というルーティンから遠ざかっていたノラは、コラボレーション・シングルの連続リリースという新しい挑戦に挑んでいたが、書き溜めていた楽曲に偶然繋がりを見出し、アルバムで音楽を発表するということを再解釈し、アルバム制作を決意したという。

彼女は次のように語る。「ラフミックスを携帯にいれ、犬の散歩をするときに聴いていた。そしたら、いつしか頭から離れなくなっていた。で、気づいたの。どの曲にも不思議な一貫した特色があるんじゃないかって。まるで神と悪魔と心と国と地球と私の間のどこかで起きている夢の中、熱病にうなされている感覚だった」

『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』では、ピアノ・トリオのジャズをベースとしながらもブルース、ソウルにもインスピレーションを受けたオリジナリティ溢れるメロディを収録。歌詞やアルバムのテーマには強い思い入れがあり、以下のように述べている。

「ここ数年、この国、この世界に生きてきて、どこかに “私を引き起こして(原題の和訳)” という感覚があるのだと思う。立ち上がり、この混乱から抜け出して、どうにかしたい、という思いが」

制作期間に関してノラは、「もしこのアルバムに闇の部分があっても、それは迫り来る破滅じゃない。むしろ、人としてつながりを求め、焦がれる気持ちに近いの。パーソナルと呼べる曲が何曲かあるけれど、それらも人間全員が直面している、より大きな問題と表裏一体。同様に、すごく大きな何かを歌っている曲も、実はパーソナルな曲だったりするのよ」

「たまたまそういうゾーンに入っていたのか、それとも(さまざまなセッションという)プロセスからその気になったのか、わからない。でも去年の私は、これまでで一番クリエイティヴな気分だった。」と精力的な一年を振り返る。

同作は、2曲を除いてプロデュースも彼女本人が行った。アルバムの核となる部分に関しては、制作初期の段階で彼女と親交が深いドラマーのブライアン・ブレイドとのセッションで完成していたが、アルバムを通して固定のバンド・メンバーは置かず、ジョン・パティトゥッチ(b)、ネイト・スミス(ds)など、総勢20名以上の実力派アーティストが立ち代わり登場する。

「アイム・アライヴ」は、アメリカのUSインディー・ロックをけん引してきたバンド、ウィルコのフロントマン、ジェフ・トゥイーディーとのコラボ楽曲で、作詞作曲を共に行い、プロデュース、ギター、ベースをジェフが担当し、ノラがヴォーカルとピアノを務めた。ジェフの息子であるスペンサー・トゥイーディーもドラムとして参加している。

また、日本盤には芥川賞受賞作家、川上未映子が手掛けた歌詞対訳が同梱されている。彼女からは、アルバムについて次のようにコメントが寄せている。

「じゅうぶんに愛し、じゅうぶんに傷つき、そして自分の目と手と耳で考え、いくつもの波を乗り越えてきた人から届けられるこの楽曲たちは、わたしたちへの温かな贈り物である。目の前にある危機や感情をしなやかに見つめ、それらが彼女の声になってみせるとき、わたしたちはそこにしか現れない世界への対峙を、喜びのうちに知ることになるだろう。」というコメントが寄せられている。

音楽だけではなく、詩を楽しむことができる作品として大注目だ。

川上未映子

■リリース情報

ノラ・ジョーンズ

『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』

発売日:2020年5月8日(金)

通常版: ¥2,860 (税込) UCCQ-1125 

初回限定盤: ¥3,630(税込)  UCCQ-9571

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