日吉記念館が竣工 白を基調にキャンパスに合うデザイン

2017年から建て替え工事が行われていた日吉キャンパスの日吉記念館が13日、竣工を迎えた。工事中の卒業式や入学式をすべてパシフィコ横浜で行うなど、塾生生活に大きく影響したこの工事の終了を待ち望んでいた塾生も少なくない。SFC CLIP編集部は、できたての日吉記念館へ、プレス公開日に特別に足を踏み入れ取材した。

歴史ある記念館 総建て替えは初

最初の日吉記念館は1958年3月に起工し、7カ月をへて同年10月に竣工。同年11月の創立100周年記念式典を皮切りに、入学式や卒業式など式典会場としての役目を担ってきた。

旧日吉記念館。2017年4月撮影

今回のような総建て替えが行われるのは初めてで、2017年10月に準備工事が開始。以来、日吉記念館で行われるはずの大きな式典はパシフィコ横浜など別の会場で行われていた。 新しい日吉記念館は13日に竣工を迎え、同日にメディア向けに公開された。本来であれば23日の2019年度大学学部卒業式で初めて使われる予定だったが、新型コロナウイルス感染症への対応として中止となった。同じく2020年度大学学部入学式も延期となり、いまだ具体的な日程は定まっていない。

新しい日吉記念館の入り口

広々とした記念館 白を基調に周囲になじむデザイン

新しくなった日吉記念館は、地上高25.7m、地上4階、地下2階の鉄筋コンクリート造だ。建築面積は5,617.89㎡、延べ床面積は12,496.73㎡で広々とした造り。収容人数は約10,000人で、旧日吉記念館の6,500人を大幅に上回る。

4階から見たアリーナ。観客席は1階から4階まである

デザインは白を基調とし、内部の壁や床には打ちっぱなしのコンクリートが目立つ。新しさはあるものの、南側の第1校舎(1934年竣工)、北側の第2校舎(1936年竣工)など他の建物になじむようになっている。

建物の見取り図。アリーナ以外の設備も入る
無線アクセスポイントはAruba社製。塾内ではCisco社製が多く使われる

日吉駅から見える三色旗 中庭はコンクリートに

日吉駅を出てキャンパスのほうを見てみると、銀杏並木の向こう側に風にはためく三色旗が見える。建物から約9m突き出たポールに揚げられた三色旗と日吉記念館の組み合わせは威厳を感じさせる。

銀杏並木と日吉記念館の上にはためく三色旗

植物とレンガで道が作られていた中庭は白いコンクリートで埋め立てられた。入学式や卒業式では記念写真を撮る塾生であふれることだろう。

中庭には街灯も立っている

多様なニーズに応える大空間 式典前提の体育館に

地下1階から4階まで吹き抜けるアリーナは40m×60mと広々としており、バスケットボールコートが3つ入る。

壇上から見たアリーナ

観客席の配置は、体育館としてだけでなく式典にも使えるよう3面のみの配置とし、60m幅のステージが常設されている。

ステージに対面する観客席には、必要に応じてアリーナへの階段を設けることができる

体育館として使うときは大光量の照明に照らされるが、式典の際は雰囲気に合わせて調節できるようになっている。

竣工しても消えぬ待ち遠しさ 入学式はどうなる?

使うのが待ち遠しい新・日吉記念館。東京オリンピック・パラリンピックではイギリス代表チームの事前キャンプにも使われる予定だ。 取材中、建物の外観をスマホで撮ったり中を覗き込んだりする学生も多く、期待されている様子がうかがえた。世間が感染症で騒がしい中、ここで平穏に式典を挙げられる日はいつ来るのだろうか。竣工しても待ち遠しい気持ちはまだ消えない。

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