葉山園児死亡事故、遺族と和解へ 町が5900万円支払い

葉山町役場

 2016年に葉山町立葉山保育園(同町堀内)に通う男児=当時(6)=が同園で死亡した事故を巡り、同町議会は13日の本会議で、町が遺族に計約5900万円の損害賠償を支払う和解議案を、全会一致で可決した。町によると、3月中に和解が正式に成立する。

 男児は16年12月、園庭に面した木製デッキに置かれていたサッカーゴールのネットに足をとられ、転倒。帰宅後に病院へ搬送されたが、翌日に亡くなった。園長が業務上過失致死の容疑で書類送検されたが、横浜地検横須賀支部は17年12月に不起訴処分とした。

 町と同園は、遺族の意向や、検証委員会が18年3月にまとめた報告書の提言を踏まえ、緊急時の対応マニュアル改訂や職員研修、防犯カメラ設置などを実施。町と遺族は面談を重ね、2月末に和解することで合意したという。

 山梨崇仁町長は本会議後、取材に対し「和解は成立するが、亡くなった園児が帰ってくるわけではない。改めてご冥福をお祈りするとともに、二度と同じ事故が起きないよう、保育園の安全な運営に努めたい」と話した。

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