無観客&メディア立ち入りから一転、DTM公式テスト開催中止。新型コロナは開幕戦にも影響か

 無観客に加え、メディア関係者の立ち入り制限も予定されていたDTMドイツ・ツーリングカー選手権の公式テストが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため中止された。

 DTMの公式テストはドイツ・ホッケンハイムを舞台に3月16~19日の日程で開催される予定だった。本来はイタリア・モンツァが舞台だったが、新型コロナウイルスの影響で開催地が変更されている。

 ホッケンハイムに開催地を移した後も、新型コロナウイルス感染拡大防止策としてファンを場内に入れない無観客イベントとして実施すること、世界各国から訪れるメディア関係者についても立ち入りを制限することなどが明かされていた。

 しかし3月13日、DTMを運営するITR e.Vはシリーズに参戦するアウディとBMWの支持も受けて、このホッケンハイム公式テストを中止するとアナウンスした。

 ITRマネージングディレクターのマセール・モーハウプトは「関係者全員の健康と安全が、私たちにとって最優先事項だ」と述べている。

「新型コロナウイルスを取り巻く状況を受け、ドイツ政府当局による指示と関係者への影響を考慮した上で、テストの中止を決めた」

「ほかの多くのスポーツと同様に、DTMもこういった決断をせざるを得なかったことを残念に思うが、現在の状況を踏まえると、これがもっともいい判断だ」

 またモーハウプトは「2020年シーズンの開始に関しては、各パートナやメーカー、地元のレースオーガナイザーと協議を重ねる」とし、4月24~26日に開催予定の第1戦についても延期や中止の可能性を匂わせている。

 2020年のDTM第1戦はベルギーのゾルダーで開催予定だが、イタリアを中心に急速に感染が拡大した新型コロナウィルスの影響で、EU圏内であっても国境を陸路で通過しようとすると、かなりの規制がかかる。

 国境通過時には警察や保健所の職員、医師や看護師による問診チェック等が個別に行われるため、相当の時間がかかるほか、通勤や物流関係以外の通行が制限されていることもあり、各国の国境手前でUターンをさせられる可能性も高い。

 また、DTMのチーム関係者にはイタリア人も多いことも、テスト中止や開幕戦に関する議論を起こした要素となっているようだ。

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