WRC第3戦メキシコ:トヨタ、競技2日目はトラブルなく全車トップ5入り「全員が本当にいい仕事」

 3月13日に行われた2020年WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコの競技2日目。3台のトヨタ・ヤリスWRCを投じているTOYOTA GAZOO Racing WRTでは、セバスチャン・オジエが総合首位、エルフィン・エバンスが総合3番手で表彰台圏内を走行。カッレ・ロバンペラも総合5番手で3台全車がトップ5入りしている。

 シーズン第3戦のラリー・メキシコは同国の高地を舞台に争われるグラベル(未舗装路)イベント。競技2日目はSS3~12までの10SSが行われる予定だったが、スケジュール遅れによりSS8がキャンセルされたため、全9SSでの闘いとなった。

 前日の走行を総合6番手で終えたオジエは、SS3でステージ2位タイムを刻んで総合3番手へ浮上。続くSS4では2位以下に0.8秒以上の差をつけてステージ最速となり、総合首位におどり出た。

セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)/2020WRC第3戦メキシコ

 その後、SS10~11でもステージ優勝したオジエは最終的に13.2秒までリードを広げて競技2日目を終えている。

 WRCキャリアで初めてポイントリーダーとして今大会に臨んだエバンスは、先頭走者として各ステージを走行。コンディションが整っていない路面を切り開く“掃除役”を強いられたため、一時は総合7番手までポジションを落とす。

 しかし、その後は粘り強く走り続け着実にポジションアップ。わずか0.73kmのSS12で先行していたオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)を交わし、0.2秒リードの総合3番手に浮上してみせた。

 若手カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS3でタイヤトラブルがあったほかは大きなトラブルなく1日を走破。この日の最終ステージだったSS12で最速タイムを刻む快走で総合5番手を確保している。

■トヨタ首脳「1日をトラブルと無縁で過ごせたのは、このラリーにおいてとても喜ばしいこと」

 スポーティングディレクターのカイ・リンドストロームは「1日をトラブルと無縁で過ごせたのは、このラリーにおいてとても喜ばしいことだ」と3人の走りを称賛した。

「今日もまた、3人のドライバー全員が本当にいい仕事をしてくれた。セブ(セバスチャン・オジエ)はクリーンな走りを続け、とても安定した1日だった。それこそがこのラリーでは重要であり、素晴らしかったと思う」

「エルフィンもまた、本当によくやってくれました。なぜなら、このラリーでの先頭スタートは簡単ではないからだ。明日に向けて、エルフィンはまだ十分勝負できる」

「カッレは、またしても私を含むみんなを驚かせてくれた。すべてを急速に習熟していく姿を見るのは、うれしい限りだ。我々の、このいい流れが明日も続くことを期待しているよ」

セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)/2020WRC第3戦メキシコ

 総合トップのオジエは「今朝は、タイムは悪くなかったが、自信は十分にあるとはいえない状況だった」と走行をふり返った。

「より快適に走れるようにといろいろなトライをするなかで、クルマのセットップを少し変更し、グラベル路面での走行距離を重ねていったことで、午後のステージではフィーリングがかなりよくなったよ」

エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)/2020WRC第3戦メキシコ

 エバンスは「予想はしていたが、1番手でステージを走るのは本当に大変だった。それでも、全体的には悪くない1日だったと思う」とコメント。

カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)/2020WRC第3戦メキシコ

 ロバンペラは「今朝最初のステージでは、どこでスローパンクチャーをしたのか分からなかったが、そんなこともある。しかし、スペアタイヤが1本しかなかったから、その後は少し慎重にならざるを得なかったよ」と述べている。

 2020年のWRC第3戦メキシコ、競技3日目はSS13~21までの9SSで争われる。9SSの合計距離は133.74km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は304.52kmだ。

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