鷹・上林、“弟弟子”鈴木誠也にメラメラ「また打ちやがった」2安打でOP戦打率.714

5回に右前安打を放ったソフトバンク・上林誠知【写真:藤浦一都】

上林の語る鈴木の凄さは「1発で仕留められる。ミスショットが球界一ない選手」

■ソフトバンク 4-4 広島(オープン戦・14日・PayPayドーム)

 ソフトバンクの上林誠知外野手が14日、広島とのオープン戦でスタメン奪取をアピールした。打っては3打数2安打と気を吐き、好走塁を見せるなど足でも存在感を発揮。延期となっている開幕スタメン獲りへ向けて結果を残した。

「7番・右翼」で2月23日のオリックス戦以来となるオープン戦スタメンとなった上林。2回に右前安打で出塁すると、5回にも右前安打で出塁。続く佐藤の左前安打で一気に三塁へ進むと、三森の一ゴロで一気に生還。一時勝ち越しとなるホームを陥れる好走塁を見せた。

 同点で迎えた9回には四球で出塁。続く佐藤の初球でいきなり盗塁を決め、犠打で三塁へ進んだ。結果的に得点には繋がらなかったものの、サヨナラのチャンスを作り出した。この日は3打数2安打。風邪による離脱がありながら、1軍に復帰した13日から2試合続けて結果を残し「毎試合(Hランプを)灯したいですよね。それ(走攻守)ができるのが自分なので他の選手にないものをどんどん出していきたい」と語った。

 そんな上林を燃えさせる男がいた。広島の鈴木誠也外野手だ。上林とは昨オフまで内川聖一内野手のもとで共に自主トレに励んでいた間柄。先に上林が弟子入りし、その後、年上の鈴木が門を叩いた。その鈴木は前日にフェンス直撃の安打、そしてこの日は8回に代打で登場し、左中間へソロ本塁打。先輩で“弟弟子”の活躍に「また代打で1発を打ちやがったので。首位打者は先を越されてしまった」と冗談交じりに刺激を受けたことを認めていた。

 もちろん、その実力を知るからこその刺激だ。試合前には挨拶し、言葉を交わした上林は鈴木の凄さを「1発で仕留められるのが誠也さんの凄さ。ミスショットが球界一ない選手だと思う。打つと決めた時に仕留められる」と語っていた。

 キャンプ最終盤で風邪のために離脱し、13日に1軍に合流したばかりの上林。新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となったことを「自分にとってはプラスにするしかない」と前向きに捉える。「目立って自分を使った方が試合に勝てるという印象を与えないといけない」。スタメン獲りへ、未だ決まらぬ開幕まで必死のアピールを続けていく。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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