パニックにならず 冷静に行動して 長崎大学病院・泉川氏

泉川公一センター長

 長崎県内初の新型コロナウイルス感染者が確認されたことについて、長崎大学病院感染制御教育センターの泉川公一センター長(感染症)は「一緒の空間にいただけでは感染しない。パニックにならず、冷静に行動してほしい」と呼び掛けている。
 泉川氏は、今回の感染者らがすぐに保健所に相談し、人との接触を避ける適切な行動を取った点を評価。「油断はできないが、限定的な感染にとどまるのではないか」とみる。新型コロナウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)・接触感染だとして、「一緒の空間にいたからといって感染する病気ではない」と指摘。「感染者が出たからといって特別なことをする必要はない。手洗いや咳エチケット、人混みに行かないなど基本的なことを徹底することが重要。パニックにならず、冷静に行動してほしい」と強調した。
 現状把握のため長崎大学病院は14日、感染者を受け入れている壱岐市内の医療機関に同センターの感染制御専門医1人を派遣。感染防止のために医療従事者に個人防護服の着脱法などを指導するほか、職員の相談などにも当たる。泉川氏は「離島でも体制は整っているが、県本土に比べれば医療機器や人的資源の面で十分ではない部分もある。もし離島で感染者が増えた場合は支援、協力していきたい」と話した。


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