米兵性犯罪防止へ地位協定改定を 自民会合で被害者訴え

自民党の会合であいさつするジェーンさん(左)=13日午後、自民党本部

 横須賀市内で米兵から性的暴行を受けたオーストラリア人女性が13日、自民党の議連「女性議員飛躍の会」の会合に出席し、日米地位協定の改定を訴えた。自民党議員との意見交換に出席するのは初めてという。

 女性は2002年に横須賀基地近くで見知らぬ米兵に暴行されたキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん。事件後に実名を公表し、在日米軍の特権的地位を定めた地位協定の不当性を訴えてきた。

 冒頭のみ公開された会合には議員10人が参加。ジェーンさんは米兵による犯罪がなくならない要因として、地位協定16条の規定が国内法の「尊重」にとどまることを挙げ、「順守」に改めるよう主張したという。

 会合後、議連共同代表の稲田朋美幹事長代行は記者団に、地位協定の課題について「もう少し深掘りして検討していく」と説明。個人的見解とした上で、「人権や法の支配、手続き保障などが担保されるのは当然だ。運用の改善で解決できない問題があるとすれば、(改定を)提案することもあっていい」と含みを持たせた。

 一方、ジェーンさんは「20年近く活動してきて初めて自民党に呼ばれた。地位協定を見直すことができるかもしれない希望が出てきた」と語った。意見交換はジェーンさんの著書を読んだ議連メンバーの杉田水脈氏が持ち掛けたという。

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