2020年レギュラーシーズン 「6月まで開幕延期」が現実味

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオープン戦を中止し、レギュラーシーズンの開幕を少なくとも2週間延期することを発表しているメジャーリーグだが、当初の予定から2週間遅れとなる日本時間4月10日の開幕はほぼ絶望的な状況となっている。複数の現地記者はメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)にあたる日本時間5月26日ごろの開幕を予想。しかし、アメリカの疾病対策センターは50人以上のイベントの開催を今後8週間自粛することを要請しており、選手たちの準備期間も考えると、「6月開幕」が現実味を帯び始めている。

USAトゥデイのボブ・ナイチンゲールとMLBネットワークのジョン・ヘイマンは、アメリカ国内での新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、メジャーリーグのレギュラーシーズン開幕がメモリアル・デーあたりまでずれ込む可能性があることを伝えた。ヘイマンは「6月を迎えるまでに開幕することができるのであれば歓迎されることになるだろう」といった趣旨のコメントをしており、4月中の開幕はほぼ絶望、5月中に開幕できれば御の字といった状況になっている。

野球ライターのロバート・マレーによると、メジャーリーグ選手会は選手たちに対し、新型コロナウイルスへの感染を防ぐために、今後4~6週間は最も安心して過ごせる場所で生活することを推奨している。メジャーリーグ機構は、感染拡大を防ぐために、各チームに対してキャンプ地や本拠地でのチーム単位での練習を行わないよう要請すると見られており、すでにキャンプ施設を閉鎖することを発表したチームもある。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタールとエバン・ドレリッチは「レギュラーシーズンが4月中に開幕する可能性は低い」と伝えていたが、その通りの結果となりそうだ。

日本時間3月16日には、アメリカの疾病対策センターが50人以上のイベントの開催を今後8週間自粛することを要請したことが明らかになり、レギュラーシーズン開幕は少なくとも8週間後(日本時間5月10日)あたりまでずれ込むことが確実となった。選手たちの準備期間も考えると、8週間後すぐに開幕できる可能性は低く、ナイチンゲールやヘイマンらが言及しているメモリアル・デー前後での開幕も難しいかもしれない。「6月開幕」が現実味を帯び始めてきたと言えそうだ。

開幕が5月下旬や6月までずれ込むことになれば、各チーム162試合のスケジュールを維持することは絶望的であり、試合数を削減した形でレギュラーシーズンが行われることになるだろう。ポストシーズンのフォーマットに変更が加えられる可能性もある。それに伴い、選手のサービスタイム(≒メジャー登録日数)など、調整しなければならない問題も多く、レギュラーシーズン開幕に向けて問題は山積みとなっている。

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