MLB機構とMLB選手会が食料不安のために100万ドルを寄付

新型コロナウイルスの感染拡大は、ウイルスへの感染とは異なった種類の問題を生み始めている。全国の公立学校が閉鎖され、自宅で孤立するようになった結果、食料の入手が困難になりつつあるのだ。日本時間3月17日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は、食料不安の解決に貢献すべく、「フィーディング・アメリカ」と「ミールズ・オン・ウィールズ・アメリカ」という2つの団体に50万ドルずつ、合計100万ドルを寄付したことを明らかにした。

メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは、声明文のなかで「パンデミックによる困難な状況のなかで、コミュニティで最も弱い立場にある人々を助けるために社会が協力し合うことが重要です」と述べ、球界として困難な状況のなかで食料不安を抱える子供たちなどへの支援を行っていくことを表明した。「この危機的な問題について、選手たちと協力できることに感謝します」として、メジャーリーグ選手会への感謝も述べた。

「フィーディング・アメリカ」は、学校の閉鎖やその他の問題などにより影響を受けた子供たちや家族に食事を提供するため、ニーズの大きい地域のフードバンクへ資金を分配する。一方、「ミールズ・オン・ウィールズ・アメリカ」は、この資金を利用してネットワークの組織能力を向上させ、困っている高齢者に家庭での食事を提供する。

メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は、オープン戦の中止やレギュラーシーズンの開幕延期という困難に直面しているものの、新型コロナウイルスの感染拡大が球界のみにとどまらない、はるかに大きな問題であることを認識している。メジャーリーグ選手会のトニー・クラークは「選手たちは個人として、あるいは団体として、コミュニティで最も弱い立場にある人々を助けたいと思っている。今回の寄付は、こうした取り組みの一つである」と語り、メジャーリーガーたちが社会貢献に前向きな姿勢を示していることを明らかにした。

メジャーリーグ機構やメジャーリーグ選手会、そしてメジャーリーガー個人による社会貢献の動きは、今後も拡大していきそうだ。

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