新型コロナウイルスで消沈気味な「桜を見る会」…、国民は説明に納得しているのか? 2020年2月電話・ネットの意識調査 結果解説

選挙ドットコムでは、2月15日(土)・16日(日)に日本国内の18歳以上の方を対象としたハイブリッド方式(電話調査とインターネット調査を同じ設問で同時に行う方式)による全国意識調査を実施しました。電話調査(JX通信社と共同実施)では1,014件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)では1,000件の有効回答を得ました。今回は「桜を見る会」について取り上げます。

「選挙ドットコムちゃんねる」でも今回の調査について解説をしています。
今回はゲストとしてJX通信社の米重さんに来ていただきました!
ぜひ、チャンネル登録お願いします!

総理や政府の説明は充分ではない?

JNN世論調査、一斉休校の要請「評価する」68%

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍総理が小・中・高校の一斉休校を要請したことについて、「評価する」と答えた人が7割近くにのぼることがJNNの世論調査でわかりました。  安倍内閣を支持できるという人は、先月の調査結果より0.9ポイント減って48.9%と、現在の調査方法を導入した2018年10月以降、最低を記録しました。一方、支持できないという人は0.7ポイント増えて47.5%でした。 …

先日のJNNの調査では、総理主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理による一連の説明について納得しているか聞いたところ、「納得していない」は先月よりも5ポイント増えて76%に達しています。

選挙ドットコムの2月度ハイブリッド意識調査でも「桜を見る会」について調査をいたしましたので、結果を基に詳細分析を行いました。

7割以上が説明に納得していない

選挙ドットコムのハイブリッド意識調査、「連日国会では『桜を見る会』について野党が質問をしています。それに対して、安倍総理や政府は、充分に説明をしていると思いますか?」という質問を行いました。

結果は「とてもそう思う」が5.7%、「ある程度そう思う」が11.2%、「どちらとも言えない」が12.1%、「あまりそう思わない」が24.4%、「全くそう思わない」が46.6%となりました。

「とてもそう思う」と「ある程度そう思う」の回答者が「総理や政府は説明を充分行っている」と思っており、「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」の回答者が「総理や政府の説明は不十分だ」と思っていることになります。

総理や政府は説明を充分行っていると思っている回答者が16.7%、総理や政府の説明は不十分だと思っている回答者が71.0%にのぼりました。そして、「全くそう思わない」の回答者が全体の4割以上を占めていることは非常に特徴的です。

ネット調査と電話調査の結果を比べると上の図のようになりました。ネット調査と電話調査で比べても、それほど大きな差はありませんでした。

ネット調査は電話調査よりも「どちらとも言えない」が3ポイントほど多いですが、全体の傾向としては1割以上が充分に説明を行っていると回答し、7割程度が説明は不十分だと回答しました。

そして、どちらとも「全くそう思わない」が「あまりそう思わない」を大きく上回っていることも特徴的です。

年代別・支持政党別にクロス分析をすると

年代と「桜を見る会」の説明についてのクロス分析を行うと上の図のようになりました。「18・19歳」と「20代」、「80歳以上」の回答者はそれぞれ全体の10%以下しかいませんので参考値として見ていただければと思います。

30代~70代を見ると、どの年代にも「そう思う」という回答者が1割強はいます。年代が上がってもその割合に大きな差はありません。

一方で、30年代から年代が上がるにつれて「そう思わない」の回答者が増加しています。そして、その中でも「全くそう思わない」の回答者は60代でピークを迎えています。

どの年代においても、「桜を見る会」についての総理や政府の説明は不十分だと思われている印象を受けます。

支持政党別にみると、回答者のボリュームゾーンである無党派層(支持する政党はない)では、総理や政府の「説明は不十分だ」と思う回答者が7割以上にのぼりました。

また、自民党を支持している層では「充分に説明を行った」思っている層と「説明は不十分」だと思っている層が拮抗しています。

そして、自民党と連立与党を組んでいる公明党の支持者と、自民党と政策が近しい日本維新の会の支持者は、6割以上が「説明は不十分」だと思っています。

他方で、野党各党は軒並み8割以上が「説明は不十分」だと思っています。

自民党支持者以外は、「桜を見る会」についての総理や政府の説明は不十分だと思っている印象を受けます。

コロナの影響で注目度は下落中?今後の内閣支持率は?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ワイドショーなどは新型コロナウイルスに関する報道ばかりです。

その影響もあり、SNSでは「桜を見る会」に関する投稿はほとんど見かけなくなりました。

とはいえ、冒頭のJNNの世論調査などからも推察できる通り、依然として「桜を見る会」についての総理や政府の説明には、多くの国民が納得していないようです。

今月も選挙ドットコムでは、ハイブリッド意識調査を行います。桜を見る会の対応や新型コロナウイルス対応によって下落していると推察される内閣支持率は今後どうなっていくのでしょうか?

来週には、最新のハイブリッド意識調査結果の記事をリリースする予定ですので、ぜひご確認ください。

また、選挙ドットコムのハイブリッド意識調査では、これまでではわからなかった全世代の声を集めることができます。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

調査概要:調査は令和2年2月15日(土)と16日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で1,014件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。各数値は小数第2位以下を四捨五入。回答者年代別割合は小数第3位以下を四捨五入。

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