世界が追従した高級SUVの元祖! 新型ハリアーはいったいどうなる!?
もはや世界的なブームという時期を過ぎ、すっかり定番となったSUV人気。気づけば世界的なスポーツカーメーカーや高級車メーカーまでもが新型SUVをリリースするほどで、SUVを持たないメーカーは同じ土俵に上がることすら難しいといった状況になっている。
今や悪路を走ることはないユーザーにとっても需要の高いSUVは、前述したようにラグジュアリーカーメーカーからもリリースされる車種となっている。そんな高級SUVの元祖ともいえる存在が、今回ピックアップするトヨタ ハリアーなのである。
初代ハリアーが登場した1997年以前は、SUVと言えば本格的な悪路走行を得意としたクロスカントリーSUVか、乗用車感覚で乗ることができるライトクロカンSUV(今で言うクロスオーバーSUV)の2択という状況であった。
しかし、ハリアーは“高級サルーン的な乗り心地と快適性を兼ね備えたSUV”という新しいジャンルを切り開き、「WILD but FORMAL」というキャッチコピーで瞬く間に人気車種になったのである。
そんなハリアーは現行モデルで3世代目。
2013年のデビュー以降、高い人気をキープし続けているモデルとなっているが、日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020を受賞した2019年デビューの新型RAV4の登場などもあって、やや頭打ちの傾向。いよいよ新型が登場する機運が高まったというわけだ。
新型ハリアーはTNGA新採用で、SUV3兄弟の次男坊に
新型ハリアーはすでにRAV4でも採用されている新型プラットホーム「TNGA」を採用することは間違いない。すでに登場しているRAV4はハリアーに匹敵するほどボディサイズが拡大されていることから、ハリアーはさらに大柄なボディを纏って登場することは間違いないだろう。
すでに北米市場で新型が登場している「ハイランダー」とRAV4の3兄弟車関係になることが濃厚とされている次期ハリアーだが、ハイランダーと同じく3列シートを採用することはないだろう。むしろマツダ CX-8の人気を受け、ハイランダー(クルーガー)の日本導入! なんてことも!?
実用性はRAV4に任せ新型ハリアーは4ドアクーペルック、よりエレガントなスタイルへ
新型ハリアーのエクステリアについて詳細は現時点では不明ながら、高級クロスオーバーSUVであるハリアーにふさわしいものが採用される公算が高い。
ワイルドなSUVらしさや使い勝手の良さはRAV4やハイランダーの担当とし、ハリアーはもっとクーペルックでエレガントなフォルムに生まれ変わり、明確なキャラ分けをするとの噂もある。
ちなみに初代・2代目ハリアーは日本以外ではレクサス RXとして販売。3代目RXが大幅にサイズを拡大したこともあって、遅れて登場した3代目ハリアーは一転して国内専用モデルとなっていた。4代目はトヨタブランドのニューモデルとして生まれ変わり、海外市場にもデビューさせる模様だ。
新型ハリアーのスポーティでエレガントなフォルムを目の当たりにすれば、きっと従来型ハリアーオーナーもスムーズに受け入れることができるだろう。
新型ハリアーの主力価格帯は400万円台前後へと上級移行
気になるのは新型ハリアーの価格だ。現行型では、直4 2リッターのベーシックなモデルが(ほぼ)ジャスト300万円からと、イメージよりもかなり安く手に入ることも人気を集める理由のひとつになっている(※現行型ハリアーの価格帯は約300万円~約470万円)。
ただ新型RAV4が上級移行し、既に現行ハリアーに近い価格帯(約260万円~約390万円)となっている。また後述するように、新型ハリアーではエンジンラインナップにも変化がある模様。したがって次期ハリアーの価格上昇は避けられないようだ。
これらの情報を総合すると、4代目新型ハリアーの価格は約340万円~約500万円となるだろう。
搭載されるパワートレインは新型RAV4と共通、2リッターターボは廃止か
現行モデルでは2リッターNA(ノンターボ)、2リッターターボ、2.5リッターハイブリッドと3種類のパワートレインが搭載されているハリアー。ハイブリッドモデルではRAV4にも搭載されている新開発の2.5Lハイブリッドが搭載されることになると思われるが、現行型のようにE-Four専用モデルではなく、2WDモデルも用意されることになりそうだ。
RAV4のハイブリッドのWLTC燃費は21.4km/L(2WD)~20.6km/L(E-Four)。新型ハリアーもほぼ同等、約20.0km/L前後のWLTC燃費となるはずだ。
ガソリンエンジンに関しては、2リッターエンジンはRAV4で新採用された熱効率の高いダイナミックフォースエンジンとなる。現行型で華々しく追加された2リッターターボエンジンだったが、新型に関しては廃止となるようだ。
なお、ハイランダーにはV6 3.5Lのガソリンエンジンの設定も存在しているが、日本ではもはや高級車=多気筒大排気量という図式は崩れつつあるため、こちらが導入されることはないだろう。
4WDシステムはすでにRAV4で高い評価を受けている「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用し、高い走行性能と燃費性能を両立。一方ハイブリッドのE-Fourは従来通り、モーター駆動ならではのきめ細かなトルク管理で路面状況を問わない安定した走りを提供してくれるだろう。
最新のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルも遅れて導入される見込み
さて、新型ハリアーとプラットフォームなどを共通化するRAV4だが、2020年夏に新たなラインナップを追加する。それがプラグインハイブリッド(PHEV)モデルだ。
新開発のシステムとし、大容量リチウムイオン電池やモーターの大容量化が図られたことで、環境性能のみならず、かなりパワフルな性能を有するモデルになる。
システム出力はクラストップの302ps(約225kW)で、時速0~60マイル(0~96km/h)加速は5.8秒(RAV4のハイブリッド車は7.8秒)とスポーツカー並み。
こんな魅力的なパワートレインは、プレミアムモデルのハリアーにも当然用意されると考えるほうが自然な流れだろう。
ハリアーのPHEV(プラグインハイブリッド)モデルは、新型デビューの1年後となる2021年早々に追加されることを期待したい。
安全装備は最新のToyota Safety Senseを搭載
もはや必須装備とも言える先進安全装備はについては、すでにアルファード/ヴェルファイアやクラウンに搭載されているものと同等の最新鋭のものが搭載される。夜間での歩行者や自転車の検知はもちろん、交差点での対向直進車や左右折時の横断歩行者検知機能も追加され、フラッグシップSUVにふさわしい性能となるはずだ。
そして近年各メーカーが推し進めているコネクテッドカーとしての機能も当然持ち合わせることになる。搭載されるディスプレイオーディオはハイランダーにも採用された12.3インチの大画面のもので、操作性、視認性ともに大幅に向上。車載の通信機を使用したWi-Fiサービスにも対応するだろう。
新型ハリアーにGRスポーツは登場する!?
密かな人気モデルとなっている現行ハリアーのGRシリーズ。これはトヨタガズーレーシングが手掛けたいわゆるスポーツコンバージョンモデルであるが、次期ハリアーにも設定されるかどうかは不透明な状況となっている。
というのも、現行モデルでもベース車に対して40万円程度高い価格となっており(もちろん装着されるアイテムや変更内容を考えれば非常にオトクなのだが)、より上級移行して価格が高くなる次期ハリアーにとってはハードルの高い価格になってしまう可能性も。事実、より上級移行したアルファード/ヴェルファイアは3代目へフルモデルチェンジをしたタイミングでスポーツコンバージョングレード(当時はG’s)を廃止している。
とはいえ、メーカーを動かすのは実際に購入を検討しているユーザーの声。もし新型にもGRを求める声が多ければ設定される可能性も大いにあることだろう。
新型ハリアーの日本導入時期は2020年初夏、オリパラ直前の7月頃と予想
グローバルに展開されるニューモデルとなる新型ハリアー。日本の導入時期はいつ頃だろう。
現時点では明確な時期は明らかになってはいないが、2020年の7月には販売が始まるものと予想される。
新型コロナウィルスの影響で開催すら危ぶまれている2020東京オリンピック・パラリンピックだが、トヨタはそのワールドワイドパートナーとなっている。ハリアーはまさにその一大イベント開催直前のデビューとなる。
燃料電池車や自動運転車とともに、東京2020オリンピック・パラリンピックの支援車両としてハリアーも採用されれば、世界中のメディアにも映り、またとない宣伝機会ともなるはずだ。
※スペックは2020年3月現在